「問題」と「課題」の違い|広告改善は“悪い数字”を見つけて終わりじゃない

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、今月CPAがかなり上がってます。
競合が増えたのが原因だと思います。
佐藤さん
なるほど。
じゃあ、どう改善する?
佐藤さん
田中くん
田中くん
えっ……。
競合が増えたなら、仕方ないのかなと思ってました。
佐藤さん
競合が増えたという仮説はあり得るよ。
でも、原因を説明できたら改善は終わりかな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
原因が分かったら終わりじゃないんですか?
佐藤さん
大事なのはその先!
「じゃあ、目標に近づくために何を改善する?」まで考えてみよう。
佐藤さん
田中くん
田中くん
その「何を改善する?」が課題ってことですか?
佐藤さん
そう!
「問題」と「課題」を分けて考えると、次のアクションが見えやすくなるよ。
佐藤さん
悪い数字を見つけたあと、何を考えれば改善につながるのか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告初心者が陥るワナ|原因を説明して終わっていない?

たとえば、

目標CPA:10,000円
現状CPA:20,000円

だったとします。

この結果を見て、

「CPAが上がったのは競合が増えたからだと思う」
「最近は市場環境が悪いから仕方ない」
「季節性の影響だから改善は難しい」

と考えることがあります。

もちろん、その可能性はあります。

実際に競合環境や季節性など、外部要因によって成果が変動することもあります。

でも、

「外部要因だから仕方ない」で終わると、次のアクションがありません。

広告運用で必要なのは、

CPA 20,000円
↓
なぜ?
↓
競合?
季節性?
CTR?
CVR?
CPC?
↓
それでも、自分たちで改善できるところはない?
CPA悪化を外部要因で終わらせるNG判断と、原因分析後に自分たちで改善できる部分を探すOK判断
図解① CPA悪化時のNG / OK判断 画像をタップすると拡大できます

原因を考えることは大切です。

ただし、広告改善では、 原因を説明することがゴールではなく、そこから改善につなげること が重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「原因が分かった!」で終わらないようにしよう!
その次に「じゃあ、自分たちで何を変えられる?」まで考えてみよう!
佐藤さん

② 本当にそう?|「問題」と「課題」は違う

広告改善を考えるとき、 「問題」 と 「課題」 を分けて考えると、状況を整理しやすくなります。

私の場合は、次のように考えます。

問題|目標と現状の間にあるギャップ

まず問題とは、

目標と現状の間にあるギャップ

です。

課題|そのギャップを埋めるために取り組むべきこと

問題が分かったら、そのギャップを埋めるために、 何に取り組むべきなのか を考えます。

これが課題です。

アクション|課題を解決するために実際に行うこと

さらに、課題を解決するために、 具体的に何を変更・検証するのか まで決めます。

これがアクションです。

たとえば、

目標CVR:2.0%
現状CVR:0.5%

だったとします。

この場合、

問題 CVRが目標を大きく下回っている
↓
原因仮説 広告とLPの訴求がズレているのでは?
↓
課題 広告とLPの一貫性を高める
↓
アクション LPのファーストビューを広告訴求に合わせてテスト
目標CVR2パーセント、現状CVR0.5パーセントから問題、原因仮説、課題、アクションまで整理する図
図解② 「問題・課題・アクション」の違い 画像をタップすると拡大できます

ここで大切なのは、 「CVRを改善する」だけでは、まだ少し抽象的だということ です。

なぜCVRが低いのかという原因仮説をもとに、 具体的に何に取り組むのか まで考えると、課題が明確になります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「問題」と「課題」をごちゃ混ぜにしないのがポイント!
「何がズレている?」→「何に取り組む?」の順番で考えてみよう!
佐藤さん

③ なぜそうなる?|目標と現状を比べないと「良い・悪い」は判断できない

広告の数字を見たとき、

「CPA20,000円は高い」
「CVR0.5%は悪い」
「CTR1%は低い」

と、数字だけを見て判断してしまうことがあります。

でも、その数字が本当に悪いのかは、 何と比較するか によって変わります。

たとえば、

目標CPA 30,000円 現状CPA 20,000円

→ 目標より良い

VS
目標CPA 10,000円 現状CPA 20,000円

→ 目標から大きく乖離

同じCPA20,000円でも、評価はまったく違います。

数字単体では「良い・悪い」は決められません。

まず、

目標
↓
現状
↓
ギャップ
=
問題
目標と現状を比較して、そのギャップを問題として特定する基本構造
図解③ 問題を見つける基本構造 画像をタップすると拡大できます

という順番で考えます。

「問題」を見つけるには、まず比較する基準が必要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
数字を見たら、まず「何と比べる?」を考えよう!
目標があるからこそ、初めて問題が見えてくるよ!
佐藤さん

④ 具体例|CVR0.5%をどう見る?

たとえば、

目標CPA:10,000円
目標CVR:2.0%

現状CPA:20,000円
現状CVR:0.5%

だったとします。

このとき、 「CPAが高い」 だけで終わらせるのではなく、数字を分解します。

すると、

目標CVR2.0%に対して、現状CVR0.5%

という大きなギャップが見えてきます。

ここでの問題は、

CVRが目標値を大きく下回っていること

です。

では、次に考えるのは、

「なぜCVRが0.5%なのか?」

です。

たとえば、

広告とLPの訴求がズレている?
LPでベネフィットが伝わっていない?
フォームの入力項目が多すぎる?
CTAが分かりづらい?
流入ユーザーの検討度が低い?
商品やオファーに魅力がない?

といった仮説が考えられます。

そして、 「広告とLPの訴求がズレている可能性が高そう」 と判断したのであれば、

課題は、

広告とLPの一貫性を高めること

になります。

さらに、その課題を解決するためのアクションとして、

広告のメインコピーと
LPのファーストビューの訴求を揃える
↓
CVRを比較する

というテストが考えられます。

目標CVR2パーセントと現状0.5パーセントから問題、原因仮説、課題、LPファーストビュー変更テストまでつなげる具体例
図解④ CVR改善までの具体例 画像をタップすると拡大できます

こうすると、

数字
↓
問題
↓
原因仮説
↓
課題
↓
アクション

までつながります。

数字を見ることと、改善につなげることは別です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「CVRが悪い」で止まらず、「なぜ?」をもう一段深掘り!
原因仮説から課題を決めると、施策がずっと具体的になるよ!
佐藤さん

⑤ 私ならどう判断する?|問題 → 課題 → アクションの順番で考える

STEP1|まず目標と実績を比べる

たとえば、

目標CVR:2.0%
現状CVR:0.5%

であれば、 「目標との差が大きい」 と確認します。

STEP2|何が問題なのかを明確にする

この場合、

CVRが目標を下回っていること が問題です。

ここで、 「CPAが悪い」だけで終わらせない ことが重要です。

CPAを構成している数字まで分解して、 どこに目標とのギャップがあるのか を確認します。

STEP3|「なぜ?」を考える

次に、 なぜCVRが低いのか? を考えます。

ここでは、まだ答えを決めつけません。

LP?
訴求?
ターゲット?
フォーム?
商品?
オファー?

と、複数の原因仮説を出します。

STEP4|改善すべき課題を決める

仮説の中から、

成果への影響が大きそう?
実績やデータから可能性が高そう?
自分たちで改善できる?

という視点で、取り組む課題を決めます。

たとえば、

広告とLPの訴求のズレを改善する

を課題とします。

STEP5|アクションに落とす

最後に、 「LPを改善する」 だけで終わらせず、

具体的に何を変更するのか まで決めます。

広告の訴求A
↓
LPのファーストビューも訴求Aに変更
↓
CVRを比較

というテストを行います。

STEP6|結果を検証する

アクションを実行したら、

CVRは改善した?
CPAは改善した?
CV数は増えた?
目標に近づいた?

を確認します。

そして、

「このテストから何が分かった?」

まで考えます。

目標と実績比較、問題特定、なぜ、原因仮説、課題決定、アクション、検証までの広告改善フロー
図解⑤ 問題からアクションまでの判断フロー 画像をタップすると拡大できます

ここまで落とすことで、 分析が実際の改善につながります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「問題 → なぜ? → 課題 → アクション」の順番をクセにしよう!
分析したら、必ず「で、何をやる?」まで落としていこう!
佐藤さん

⑥ NG / OK|主観ではなく実績から判断する

NG|原因を主観で決めて、そこで終わる

CPAが上がった
↓
「競合が増えたからだと思う」
↓
「外部要因だから仕方ない」
↓
改善しない

外部要因という仮説自体が間違っているわけではありません。

問題なのは、

そこで思考を止めてしまうこと。

外部要因があったとしても、

「その環境の中で、自分たちに改善できることはない?」

まで考える必要があります。

OK|実績から問題・課題・施策までつなげる

目標と実績を比較
↓
どの数字にギャップがある?
↓
問題を特定
↓
なぜその数字になった?
↓
原因仮説
↓
自分たちで改善できる課題を決める
↓
アクションを実行
↓
結果を検証
CPA悪化を主観と外部要因で終えるNGと、実績、ギャップ、問題、原因仮説、課題、施策、検証まで進むOKの比較
図解⑥ 成果評価のNG / OK比較 画像をタップすると拡大できます

広告運用では、 外部要因をなくすことはできません。

競合が増えることもあります。

市場環境が変わることもあります。

季節によってユーザーの動きが変わることもあります。

だからこそ、

「外部環境が変わった中で、自分たちが何を変えれば成果を改善できる?」

を考えることが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
外部要因があっても、そこで終わらなくて大丈夫!
「今の環境で、自分たちが変えられることは?」を探していこう!
佐藤さん

⑦ まとめ|悪い数字を見つけるだけでは改善にならない

1.成果は主観ではなく、目標と実績で評価する

「高い気がする」
「悪くなった気がする」

ではなく、 目標と現状を比較して判断する ことが大切です。

2.「問題」と「課題」を分ける

たとえば、

目標CVR:2.0%
現状CVR:0.5%

なら、

問題
CVRが目標を下回っている

という状態です。

そこから、 「なぜCVRが低い?」 を考えます。

原因仮説を立てたうえで、

課題
目標とのギャップを埋めるために取り組むべきこと

を決めます。

3.課題は必ずアクションまで落とす

「CVRが悪い」 で終わらせない。

なぜ?

と考えて、

広告とLPの訴求にズレがあるのでは?
↓
広告とLPの一貫性を高める
↓
LPのファーストビューを
広告訴求に合わせてテストする

まで具体化します。

目標、実績、ギャップ、問題、なぜ、原因仮説、課題、アクション、検証までの広告改善の一連の流れ
図解⑦ 広告改善の一連の流れ 画像をタップすると拡大できます

広告運用で大切なのは、 数字を見て評価することだけではありません。

数字から、

「何が問題?」 「なぜ起きている?」 「何を改善する?」 「具体的に何をやる?」

まで考える。

そして、その結果をまた数字で確認します。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
悪い数字を見つけるだけでは、まだ改善のスタート地点!
「問題 → なぜ? → 課題 → アクション → 検証」までつなげていこう!
佐藤さん
問題を見つけて終わらず、課題を決め、アクションまでつなげる。

この繰り返しが、 主観ではなく、自分の実績やデータをもとにPDCAを回せる広告運用 につながっていくと考えています。