クリック最大化・CV最大化・目標CPAの違い|入札戦略でAIの動きはどう変わる?

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、Google広告の入札戦略って、
クリック数最大化とかCV数最大化とか、いろいろありますよね。
佐藤さん
あるね。
じゃあ田中くん、入札戦略を変えると何が変わると思う?
佐藤さん
田中くん
田中くん
うーん……。
入札単価ですか?
佐藤さん
それも関係するね。
でも、本当に変わるのは入札単価だけかな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
たしかに……。
入札戦略によってAIの動きも変わるんですか?
佐藤さん
そう!そこを今回は見ていこう!
それぞれ何を目標にして入札しているのかを比べると分かりやすいよ!
佐藤さん
クリックを増やしたいのか、予約を増やしたいのか、CPAも意識したいのか。 入札戦略による違いを一緒に考えてみましょう。
↓

① 入札単価は誰が決める?|手動入札と自動入札の違い

検索広告では、 広告オークションに参加するときに 「いくらで入札するか」 が判断材料のひとつになります。

では、その入札単価は 誰が決めるのでしょうか。

大きく分けると、

手動入札 運用者が決める

最大CPCなどを、 運用者自身が設定する

自動入札 Google広告が調整する

設定した目的に合わせて、 入札額を自動で調整する

自動入札では、 運用者が毎回、

今回は150円
次の検索は300円

と細かく決めているわけではありません。

代わりに人が決めるのが、

「広告で何を増やしたいのか?」

という目的です。

たとえば飲食店なら、

店舗サイトへのアクセスを増やしたい
ネット予約を増やしたい
予約CPAも意識したい

などによって、 選ぶ入札戦略が変わります。

手動入札と自動入札の違い
手動入札と自動入札の違い 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
自動入札では「いくら?」より「何を増やしたい?」!
まず広告の目的から考えよう!
佐藤さん

② 入札戦略とは|AIに何を目指してほしいかを決める

入札戦略とは、 広告の目的に合わせて、どのように入札を調整するかを決める設定 です。

今回は、 初心者が違いを理解しやすいように、

クリック数最大化 クリック数

予算内で、できるだけ多くのクリック獲得を目指す

CV数最大化 CV数

予算内で、できるだけ多くのCV獲得を目指す

目標CPA CV数+CPA

CPA目標も考慮しながらCV獲得を目指す

と整理してみます。

ここでひとつ、 用語として注意したいことがあります。

クリック数最大化
→ 自動入札

CV数最大化・目標CPA
→ コンバージョンを最適化する「Smart Bidding」

つまり、 どれも自動で入札額を調整しますが、 クリック数最大化とSmart Biddingは同じものではありません。

入札戦略によって「何を目標に入札するか」が変わる。

クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの違い
クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの違い 画像をタップすると拡大できます

③ クリック数最大化|予算内でできるだけ多くのクリックを取る

クリック数最大化は、 設定した予算の中で、できるだけ多くのクリックを獲得する ことを目指す自動入札です。

AIに与える目的 クリック数を増やして

たとえば、 新しく居酒屋をオープンしたばかりで、

店舗サイトを見てもらいたい
メニューを知ってもらいたい
店内写真を見てもらいたい

という場合、 「まず流入を増やす」という目的には合いやすい戦略です。

日予算を設定
↓
クリック獲得を目的に入札を自動調整
↓
予算内でクリック数の最大化を目指す

ただし、 ここで注意したいのが、

クリック数最大化は「予約数を最大化するための入札戦略」ではありません。

そのため、

クリック数は増えた
CPCは下がった
でも予約数は増えていない

ということもあります。

最終目的が予約なら、

「クリックが増えた?」だけでなく、「そのクリックが予約につながった?」まで見る ことが重要です。

クリック数最大化の仕組み
クリック数最大化の仕組み 画像をタップすると拡大できます

④ 上限CPC|AIが入札できる金額に上限をつける

クリック数最大化では、 対応するキャンペーンで 上限CPC を設定できます。

例 上限CPC 150円

これは、

1クリックあたりの入札額に
上限を設定する

という考え方です。

ここでありがちなのが、

CPCを安くしたい
↓
上限CPCをできるだけ低く設定

という方法です。

しかし、 上限を低くしすぎると、 広告掲載位置やクリック数が制限される可能性 があります。

上限CPCを低く設定
↓
入札できる範囲が狭くなる
↓
CPCを抑えられる可能性
+
広告機会も減る可能性

上限CPCは「成果を良くする設定」ではなく、「入札できる範囲に制約を加える設定」。

上限CPCを設定するとAIの入札範囲がどう変わるか
上限CPCを設定するとAIの入札範囲がどう変わるか 画像をタップすると拡大できます

⑤ CV数最大化と目標CPAに共通する仕組み|CVしやすさを予測して入札する

ここからは、 CV数最大化と目標CPA を見ていきます。

この2つは、 どちらもGoogle AIを使って コンバージョン獲得を目的にオークションごとの入札を調整するSmart Bidding です。

たとえば、 飲食店の 「ネット予約完了」 をCVとして設定したとします。

ユーザーが検索すると、 Google広告はオークション時に利用できる情報をもとに、 その広告機会がCVにつながる可能性 を予測します。

検索内容 何を探している?
デバイス スマホ?PC?
場所 どこから検索?
時間帯 いつ検索?
その他のシグナル 利用可能な情報を組み合わせる
検索が発生
↓
オークション時の情報を確認
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札額を調整

ここまでは、 CV数最大化と目標CPAで共通しています。

では何が違うのでしょうか。

違うのは、「AIにどんなゴールと条件を与えているか」です。

CV数最大化と目標CPAに共通する機械学習の流れ
CV数最大化と目標CPAに共通する機械学習の流れ 画像をタップすると拡大できます

⑥ CV数最大化|予算内でできるだけ多くの予約を取る

CV数最大化では、 設定した予算を使いながら、できるだけ多くのCVを獲得する ことを目指します。

AIに与える目的 この予算で、できるだけ予約数を増やして

たとえば、

日予算 30,000円

とします。

AIはオークションごとに CVにつながる可能性を予測し、 入札を調整します。

A CVしそう

より積極的に入札する場合がある

B CVしにくそう

入札を抑える場合がある

C かなりCVしそう

より積極的に入札する場合がある

ここで大切なのは、

CV数最大化は、「CPAを必ず○円以内にする」ことを主目的にした戦略ではない。

ということです。

CPCやCPAが多少上がっても、 予算の中でより多くの予約が取れると判断されれば、 その広告機会へ入札する場合があります。

つまり、

「とにかくCPAを下げたい」より、「予算内で予約件数を増やしたい」ときに目的が合いやすい と考えます。

CV数最大化で日予算30000円からCV数を最大化するイメージ
CV数最大化|日予算30,000円でCV数を最大化するイメージ 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
CV数最大化なら、CPCだけで評価しない!
「その結果、何件予約できた?」まで見てみよう!
佐藤さん

⑦ 目標CPA|CPAも意識しながらCVを増やす

一方、 目標CPAでは、 設定した平均CPAの目標も考慮しながら、できるだけ多くのCV獲得を目指します。

例 目標CPA 10,000円

飲食店で考えるなら、 AIに、

予約を増やして
+
平均CPAは10,000円程度を目標にして

と伝えるイメージです。

A 目標CPA内で取れそう

積極的に入札する場合がある

B CPAが高くなりそう

入札を抑える場合がある

C CVしやすく効率も良さそう

より積極的に入札する場合がある

ただし、 ここで誤解してはいけないのが、

すべてのCVを必ず10,000円で獲得する設定ではありません。

たとえば、

予約A 6,000円
予約B 8,000円
予約C 12,000円
予約D 14,000円

のように、 1件ごとのCPAにはばらつきが出ます。

そのうえで、 平均CPAを目標値に近づけながらCV獲得を目指す のが基本的な考え方です。

目標CPA10000円でも1件ごとのCPAにはばらつきがある
目標CPA10,000円でも1件ごとのCPAにはばらつきがある 画像をタップすると拡大できます

CPCが高くてもCPAが良くなることがある

たとえば、 次の2つの広告機会を考えます。

広告機会 CPC 予約CVR 計算上のCPA
A 100円 1% 10,000円
B 200円 10% 2,000円

CPCだけを見ると、 Bの方が高くなっています。

でも、

CPA ≒ CPC ÷ CVR

なので、 CVRまで含めると、 Bの方がCPAは良くなります。

「CPCが高い=悪い」ではなく、そのCPCでCVR・CPAがどうなったかを見る。

CPCが高くてもCVRが高ければCPAが良くなる例
CPCが高くてもCVRが高ければCPAが良くなる例 画像をタップすると拡大できます

目標CPAを厳しくすれば、CPAも下がる?

ここも、 とても誤解しやすいポイントです。

たとえば、 現在のCPAが10,000円程度だから、

CPAをもっと下げたい
↓
目標CPAを3,000円にする

としたとします。

しかし、 目標CPAを厳しくしすぎると、 条件を満たせそうな広告機会が少なくなり、 配信量やCV数が減る可能性 があります。

目標CPAを厳しく設定
↓
条件を満たせそうな広告機会が狭まる可能性
↓
配信量が減る
↓
CV数も減る可能性

目標CPAは「理想のCPAを書く欄」ではなく、AIに渡す効率条件 と考えると分かりやすいです。

目標CPAを厳しくしすぎると配信量やCV数が減ることがある
目標CPAを厳しくしすぎると配信量・CV数が減ることがある 画像をタップすると拡大できます

CV数最大化と目標CPAの違いを一言でいうと?

CV数最大化 予算を使って
CV数を最大化

CPAを特定の金額に合わせることより、 予算内でCV数を増やすことを重視

目標CPA CPA目標も考慮しながら
CV数を最大化

平均CPAの目標値を条件として、 CV数の獲得を目指す

どちらもCV獲得を目指す。違うのは「CPAという効率条件を持たせるかどうか」。

CV数最大化と目標CPAの機械学習ロジック比較
CV数最大化と目標CPAの機械学習ロジック比較 画像をタップすると拡大できます

⑧ CTR・CPC・CVRへの影響|入札戦略を変えると数字はどう動く?

入札戦略を変更すると、

CTR
CPC
CVR
CPA
クリック数
CV数

などが変化することがあります。

ただし、

「クリック数最大化ならCTRが上がる」「目標CPAならCPCが上がる」と決まっているわけではありません。

入札戦略が変わると、

入札の目的・条件が変わる
↓
オークションごとの入札判断が変わる
↓
獲得する広告機会も変わる
↓
CTR・CPC・CVRなども変化する可能性

クリック数最大化の場合

中心に見る クリック数・CPC
予約が最終目的なら CV数・CVR・CPAも確認

CV数最大化の場合

中心に見る CV数
あわせて確認 CPA・CVR

CPCが上がっても、 CV数が増えてCPAが改善していれば、 最終目的に対しては良い変化かもしれません。

目標CPAの場合

中心に見る CV数・平均CPA
途中指標として CTR・CPC・CVR

つまり、

入札戦略を評価するときは、「その戦略が何を目標にしているか」を基準に数字を見る ことが重要です。

入札戦略を変えるとCTRやCPCやCVRが変化する理由
入札戦略を変えるとCTR・CPC・CVRが変化する理由 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
数字を見る前に「この戦略は何を目指している?」を確認!
目的が違えば、評価するときに重視する数字も変わるよ!
佐藤さん

⑨ 使い分け|「どれが一番いい?」ではなく「何を目指す?」から考える

最後に、 飲食店の広告を例に整理します。

入札戦略 主な目的 見る成果 注意点
クリック数最大化 サイト流入を増やす クリック数・CPC 予約数を直接最大化する戦略ではない
CV数最大化 予約数を増やす CV数・CPA・CVR 特定のCPAを目標にする戦略ではない
目標CPA CPAも意識して予約数を増やす CV数・平均CPA 厳しすぎる目標は配信を制限する場合がある

ケース1|まず店舗サイトへのアクセスを増やしたい

目的 お店を知ってもらい、サイトを見てもらいたい

→ クリック数最大化を検討

ケース2|予算内でできるだけ予約数を増やしたい

目的 広告からできるだけ多くの予約を取りたい

→ CV数最大化を検討

ケース3|予約CPAも意識して獲得したい

目的 CPA10,000円程度を目標に予約数を増やしたい

→ 目標CPAを検討

クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの使い分け
クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの使い分け 画像をタップすると拡大できます

入札戦略を変える前に「今の問題」を考える

ここでも、 入札戦略だけを見て判断しないことが重要です。

たとえば、

CPAが高い
↓
目標CPAへ変更しよう

と考えたとします。

でも、 本当に入札戦略が問題なのでしょうか。

LPのCVRが低い?
検索キーワードがズレている?
広告訴求が合っていない?
CV計測が適切ではない?
予算条件に問題がある?

という別の原因も考えられます。

成果が悪い
↓
どの数字が悪化している?
↓
なぜ?
↓
原因仮説
↓
入札戦略を変える必要がある?
↓
必要なら変更

「今の問題を解決するために、本当に入札戦略を変える必要がある?」

まで考えることが重要です。

入札戦略を変更する前の判断フロー
入札戦略を変更する前の判断フロー 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「どの入札戦略が一番いい?」から考えない!
まず目的と今の問題を整理して、必要な戦略を選んでいこう!
佐藤さん
入札戦略は、広告の目的から逆算して選ぶ。

今回の3つを整理すると、

クリック数最大化 予算内でクリック数を増やす
CV数最大化 予算内でCV数を増やす
目標CPA CPA目標も考慮しながらCV数を増やす

CV数最大化と目標CPAは、 どちらもオークションごとに CVにつながる可能性などを予測しながら入札を調整します。

ただし、 AIへ渡している目的や条件が違います。

CV数最大化
→ CV件数を重視

目標CPA
→ CPA目標も考慮しながらCV件数を重視

そして、 入札戦略を変えれば、 オークションごとの入札判断も変わるため、 CTR・CPC・CVR・CPAなども変化する可能性があります。

だから、

「CPCが上がったから悪い」「CTRが下がったから悪い」と、ひとつの指標だけで判断しない。

まず、

この入札戦略は何を目標にしている? その目的に対して成果はどうなった? 本当に入札戦略がボトルネック?

と考えます。

入札戦略の名前を覚えるのではなく、「AIに何を目指してもらう設定なのか」を理解する ことが、自動入札を使いこなす第一歩です。