広告の機械学習は何を見ている?|機械学習(AI)が配信を判断するデータとシグナル

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、Google広告って、
機械学習(AI)が自動で入札してくれるんですよね。
佐藤さん
そうだね。
じゃあ田中くん、機械学習(AI)は何を見て「この広告機会はCVにつながりそう」って判断していると思う?
佐藤さん
田中くん
田中くん
うーん……。
年齢とか性別とかですか?
佐藤さん
それだけかな?
同じ人でも、朝に検索するときと夜に検索するときでは、行動が変わることもあるよね。
佐藤さん
田中くん
田中くん
あ……。
検索した言葉とか、時間帯、スマホかPCかとかも関係するんですか?
佐藤さん
そう!
今回は、機械学習(AI)がどんなデータやシグナルを使って予測し、入札につなげているのかを見ていこう!
佐藤さん
機械学習(AI)は、何となく「この人なら買いそう」と判断しているわけではありません。 どんな情報を見ているのか、一緒に整理してみましょう。
↓

① 機械学習とは|過去のデータからパターンを見つけ、次の結果を予測する

広告における機械学習(AI)を、 「自動で広告を出してくれる仕組み」 だけで理解すると、少し分かりにくくなります。

もっとシンプルに考えるなら、

過去のデータから成果につながりやすいパターンを見つけ、次の広告機会の結果を予測する仕組み。

と考えると分かりやすいです。

たとえば飲食店の広告で、過去に、

「新宿 個室 居酒屋 予約」と検索した人
金曜の夕方に検索した人
スマートフォンから検索した人

から予約が多く発生していたとします。

すると機械学習(AI)は、

こうした条件が重なった広告機会は、
予約につながる可能性が比較的高いかもしれない

と予測するための材料にできます。

過去の広告データ
↓
検索・クリック・CVなどの結果
↓
成果につながったパターンを学習
↓
新しい広告機会
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札判断へ
機械学習(AI)が過去データからパターンを学び次の広告機会を予測する流れ
機械学習(AI)の基本 画像をタップすると拡大できます

ただし、 機械学習(AI)が未来を確実に当てているわけではありません。

あくまで、 過去のデータや現在の状況から、「どの結果になる可能性が高そうか」を予測している と考えます。

② 機械学習(AI)は何を予測する?|「この広告機会はCVにつながりそう?」

では、機械学習(AI)は具体的に何を予測しているのでしょうか。

CV数最大化や目標CPAのような、 コンバージョンを重視する入札では、

機械学習(AI)が予測すること この広告機会からCVが発生する可能性はどれくらい?

といった予測をしながら、 入札判断につなげていきます。

たとえば、

広告機会A 新宿 居酒屋

平日14時
PC

広告機会B 新宿 個室 居酒屋 予約

金曜19時
スマートフォン

機械学習(AI)は、

Bなら絶対に予約する

と決めつけているわけではありません。

過去データや、そのとき利用できる情報をもとに、

AとBでは、どちらがよりCVにつながる可能性が高そう?

と予測します。

広告機会ごとにCVにつながる可能性を予測する機械学習(AI)の考え方
機械学習(AI)が予測するもの 画像をタップすると拡大できます

「人を選んでいる」というより、「広告機会ごとの成果の出やすさを予測している」と考える。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
機械学習(AI)は「この人なら絶対CVする!」と決めているわけじゃない!
広告機会ごとの可能性を予測していると考えよう!
佐藤さん

③ ユーザー・検索・時間・端末などのシグナル|ひとつではなく組み合わせて見る

その予測に使われるのが、 シグナル です。

シグナルとは、 その広告オークションが起きたときの状況を表す情報 と考えると分かりやすいです。

検索内容 何を探している?
デバイス スマホ?PC?
地域 どこから?
時間帯 いつ?
過去の接点など サイトとの接点はある?
その他 利用可能なシグナル
機械学習(AI)が広告配信判断に使う主なシグナル
機械学習(AI)が見る主なシグナル 画像をタップすると拡大できます

重要なのは、 ひとつのシグナルだけで判断しているわけではない ということです。

たとえば、

スマートフォンだからCVしやすい

と単純に判断するわけではありません。

同じスマートフォンでも、

朝なのか夜なのか
どこから検索しているのか
何と検索しているのか
過去にサイトへ来たことがあるのか

など、状況が違えば広告機会も変わります。

機械学習(AI)の強みは、人がひとつずつ設定しきれない大量の組み合わせを扱えること です。

④ CVデータ|「何が成果だったか」を機械学習(AI)へ伝える

シグナルだけあっても、 機械学習(AI)は、

結局、どの広告機会が良かったの?

を判断する材料が足りません。

そこで重要になるのが、 CVデータ です。

たとえば飲食店なら、

検索
↓
広告クリック
↓
店舗ページ閲覧
↓
予約フォーム
↓
予約完了

という流れがあったとします。

予約完了をCVとして正しく計測できていれば、 機械学習(AI)は、

この条件で広告を出した結果、予約につながった

という結果を判断材料にできます。

広告配信結果から予約完了をCVデータとして機械学習(AI)へ渡す流れ
CVデータが機械学習(AI)に伝えること 画像をタップすると拡大できます

一方、予約が発生しているのにCV計測ができていなければ、 機械学習(AI)から見た結果も変わります。

逆に、予約ページを見ただけなのに、 予約完了と同じ成果として扱えば、 本当に増やしたい成果とは違うデータ を渡すことになります。

CVデータは、多ければいいだけではなく、「何を成果として渡しているか」が重要です。

そもそも、 「何をCVとして設定するのか」「何を人が決めて、何を機械学習(AI)に任せるのか」 については、こちらの記事で詳しく整理しています。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
機械学習(AI)に渡すCVは超重要!
「計測できる数字」ではなく、「本当に増やしたい成果」から考えよう!
佐藤さん

⑤ オークションごとの判断|同じキーワードでも毎回同じ入札にはならない

機械学習(AI)の特徴のひとつが、 広告オークションごとに判断する ことです。

たとえば、同じ 「新宿 居酒屋」 という検索でも、状況は毎回違います。

検索A 10時・PC

別地域から検索
情報収集中かもしれない

検索B 19時・スマホ

新宿周辺から検索
今夜のお店を探しているかもしれない

同じ検索キーワードでも、 広告機会としては同じではありません。

同じ検索キーワードでも状況によって機械学習(AI)の入札判断が変わる
オークションごとに判断する 画像をタップすると拡大できます

つまり、

同じキーワードだから、いつも同じ入札

ではありません。

そのとき利用できる情報まで含めて、 「この広告機会には、どれくらい入札する?」をオークションごとに判断する という考え方です。

⑥ 予測と入札|CVしそうなら必ず高く入札する?

ここまで聞くと、

CVしそうなら高く入札
CVしなさそうなら安く入札

と理解したくなるかもしれません。

大まかなイメージとしては近いのですが、 実際の入札判断はもう少し複雑です。

入札額は、

CVにつながる可能性
設定している入札戦略
予算
目標CPAや目標ROASなどの条件
オークション時の状況

なども踏まえて決まります。

CV数最大化 CV数を増やす

予算内で、できるだけ多くのCV獲得を目指す

目標CPA CPAも考慮する

平均CPAの目標も考えながら、CV獲得を目指す

同じ広告機会でも、 設定している入札戦略によって入札判断が変わる ことがあります。

広告オークション発生
↓
シグナルを確認
↓
CV可能性などを予測
↓
入札戦略・予算・目標を確認
↓
入札額を決定
↓
オークションへ参加
機械学習(AI)がシグナルからCV可能性を予測し入札戦略に応じて入札する流れ
予測から入札までの流れ 画像をタップすると拡大できます

機械学習(AI)が予測した結果を、どのように入札へ使うかは入札戦略によって変わる。

入札戦略によって、 機械学習(AI)が何を目標にして入札するのか も変わります。

クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの違いについては、 こちらの記事で詳しく整理しています。

⑦ データが増える意味|「たくさん集めればいい」ではない

機械学習の話をすると、よく、

データが多い方がいい

と言われます。

では、なぜデータが増えるとよいのでしょうか。

たとえば、予約CVが1件しかなければ、 機械学習(AI)にとって、

どんな条件が予約につながりやすい?

を判断するための材料はまだ少ない状態です。

でも、結果が蓄積されていくと、

どんな検索でCVした?
どの時間帯でCVした?
どんな端末でCVした?
どんな条件の組み合わせでCVした?

といったパターンを探すための材料が増えていきます。

CVデータが蓄積されることで成果につながるパターンを見つける材料が増える
データが増える意味 画像をタップすると拡大できます

ただし、

「データは多ければ何でもいい」という意味ではありません。

たとえば、予約を増やしたいのに、

ページ閲覧
10秒滞在
メニュー閲覧

など、事業成果から遠い行動ばかり大量に集めても、 本当に増やしたい成果との関係が弱ければ、 使い方を考える必要があります。

また、誤ったCV計測を大量に集めても、 良い判断材料にはなりません。

大切なのは量だけではなく、「何のデータを機械学習(AI)へ渡しているか」 です。

「データが少ない=機械学習(AI)が動かない」ではない

ここも誤解しやすいポイントです。

CVが少ないと、

機械学習(AI)は何もできない

と考えたくなることがあります。

でも、 「CVが○件なければ一切判断できない」 と単純に考えるものではありません。

一方で、 自社のキャンペーンで正しいCVデータが蓄積されれば、 そのビジネスで成果につながったパターンを判断する材料 も増えていきます。

つまり、

「多い・少ない」だけではなく、「どんなデータを、どれだけ正しく渡せているか」で考える。

機械学習(AI)を活かすために人ができること

ここまで整理すると、 機械学習(AI)を活かすために、 人が整えるべきものも見えてきます。

人が整える 正しい判断材料を渡す

何を目標にする?
何をCVにする?
正しく計測できている?
入札戦略は目的に合っている?
予算・構造は適切?

機械学習(AI)が行う 広告機会ごとに予測・判断

シグナルを確認
CV可能性を予測
入札戦略を反映
オークションごとに入札
結果を次の判断材料へ

人が目標やCVや計測を整え機械学習(AI)が広告配信を判断する役割分担
人が整えるものと機械学習(AI)が行うこと 画像をタップすると拡大できます

つまり、 機械学習(AI)の精度を上げたいから、人が毎回細かく入札する という話ではありません。

それよりも、 正しい目標・正しいCV・正しい計測データを渡せる環境を作る ことが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
機械学習(AI)を細かく操作しようとしなくてOK!
まず、正しい目標とデータを渡せる状態を作っていこう!
佐藤さん

まとめ|機械学習(AI)は「シグナル+結果」から次の広告機会を予測する

機械学習(AI)は、何となく、

この人なら買いそう

と判断しているわけではありません。

検索内容・端末・地域・時間帯など、 その広告機会で利用できるシグナルと、 過去の成果データを組み合わせながら、

広告オークション発生
↓
検索・時間・端末・地域などのシグナル
+
過去のCVデータ
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札戦略・予算・目標を考慮
↓
入札額を決定
↓
結果が蓄積
↓
次の予測材料へ
シグナルとCVデータから機械学習(AI)が広告機会を予測し入札する流れ
機械学習(AI)の判断フローまとめ 画像をタップすると拡大できます

大切なのは、

機械学習(AI)が何を見ているのかを理解したうえで、「どんなデータを渡すか」を人が設計すること。

そして、 データを増やすこと自体が目的ではありません。

正しい成果を計測し、 その結果を機械学習(AI)が判断材料として使える状態を作る。

機械学習(AI)は、シグナルと結果から次の広告機会を予測する。人は、その判断材料となる目標とデータを設計する。

これが、 機械学習(AI)を活かした広告運用の基本です。