広告は何を見て優先的に表示される?|入札単価と広告品質から考える広告オークション

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、検索広告を出しているんですけど、
なかなか広告が表示されないんですよね。
何が原因なんでしょう?
佐藤さん
なるほど。
じゃあ田中くん、そもそも広告って何を評価されて、優先的に表示されると思う?
佐藤さん
田中くん
田中くん
うーん……。
入札単価が高い広告とかですかね?
佐藤さん
その考えもひとつだね。
でも、本当にそれだけで決まるのかな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
たしかに……。
何を見て表示する広告を決めているんだろう?
佐藤さん
じゃあ今回は、
「広告は何を評価されて表示されるのか?」を順番に見ていこう!
佐藤さん
検索広告は、どんな基準で表示される広告を決めているのでしょうか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告はどうやって表示される?|検索のたびに広告が選ばれている

Googleで検索したとき、 いつも同じ広告が同じ位置に表示されるわけではありません。

ユーザーが検索すると、 その検索に対して掲載候補となる広告が集められ、 その場で広告オークション が行われます。

ユーザーが検索
↓
掲載候補となる広告を抽出
↓
広告オークション
↓
広告を掲載できる?
↓
どの位置に掲載する?

たとえば、 ユーザーが 「新宿 居酒屋」 と検索したとします。

その検索に関連する広告の中から、 条件を満たした広告がオークションへ参加します。

そこで、

どの広告を掲載する?
どの広告をより上に表示する?
今回は広告を掲載しない?

といったことが決まります。

広告は「一度順位を決めたら固定」ではなく、検索されるたびに判断されます。

そのため、 同じキーワードでも、

検索した時間
デバイス
場所
検索内容
競合広告の状況

などによって、 表示される広告や掲載位置が変わることがあります。

ユーザーの検索から広告オークションを経て表示広告と掲載位置が決まる流れ
図解① 検索されるたびに広告オークションが行われる 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
広告の掲載順位は固定じゃない!
「検索されるたびに競争している」とイメージすると分かりやすいよ!
佐藤さん

② 広告オークションとは|一番高く入札した人だけで決まるわけではない

「オークション」と聞くと、

一番高い金額を出した人が勝つ

というイメージがあるかもしれません。

でも、Google広告のオークションは、 単純な価格競争ではありません。

広告が掲載できるか、 どの位置に掲載されるかを決めるために、 広告ランク が使われます。

広告ランクには、 大きく見ると、

入札 いくらまで支払う?
広告・LPの品質 ユーザーに役立つ?
検索時の状況 今この人に合っている?
競争状況など 今回のオークションはどう?
入札単価
+
広告・LPの品質
+
広告ランクの下限値
+
オークションの競争状況
+
検索した人・検索時の状況
+
広告アセットなどの期待効果
↓
広告ランク

図解で見ると、広告ランクは 「入札単価 × 品質スコア」という単純な掛け算だけではない ことが分かります。 検索した場所・時間・デバイス・検索語句・競合状況など、 その検索が行われた瞬間の条件も含めて判断されます。

たとえば 「新宿 居酒屋 個室」 という同じ検索でも、 平日の昼と金曜の夜では競合状況が変わることがあります。

そのため、 同じ広告・同じ入札設定でも、掲載位置が毎回同じになるとは限りません。

つまり、

「広告費を一番多く出せるお店=必ず一番上」ではありません。

Google側も、 ただ入札額が高い広告を見せるのではなく、 検索しているユーザーにとって役立つ広告かどうか を考慮しています。

広告オークションでは入札額だけでなく広告品質や検索時の状況など複数要素が考慮される図
図解② 広告オークションは単純な「金額勝負」ではない 画像をタップすると拡大できます

広告オークションは「いくら出すか」と「ユーザーにとって良い広告か」の両方を考える と理解しておくと分かりやすいです。

③ 入札単価とは|広告掲載のために「どこまで払えるか」

広告オークションで重要な要素のひとつが、 入札単価 です。

CPC課金をシンプルに考えると、

入札 1クリックに最大いくらまで支払える?

という考え方です。

たとえば、

居酒屋A:最大CPC 200円
居酒屋B:最大CPC 150円

なら、 金額だけを見ると居酒屋Aの方が高く入札しています。

でも、 この数字だけでは、どちらのお店の広告が上に表示されるかは決まりません。

なぜなら、 次に見る 広告品質 なども広告ランクに関係するからです。

高い入札額
=
オークションで有利になる要素のひとつ
≠
必ず一番上に表示

また、自動入札を使っている場合は、 運用者が毎回入札額を決めるのではなく、 広告媒体側が目的に応じてオークションごとに入札を調整します。

この 「AIに何を目指して入札してもらうか」 が、次の記事で扱う入札戦略につながります。

入札単価は広告掲載を競う要素の一つだが掲載順位を単独で決めるものではない図
図解③ 入札単価は重要。でも入札額だけでは決まらない 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
入札額は大事。でも「高くすれば勝てる」で終わらない!
次は広告そのものの品質も見てみよう!
佐藤さん

④ 広告品質とは|検索した人にとって役立つ広告になっている?

もうひとつ重要なのが、 広告とランディングページの品質 です。

たとえば、 ユーザーが、

検索 新宿 居酒屋 個室

と検索したとします。

そこに、

広告A 新宿の個室居酒屋|2名から個室OK

個室の写真・コース料金・空席情報を見る

広告B こだわりの料理を楽しみませんか?

店舗トップページへ移動

という広告があったら、 検索意図とのつながりは広告Aの方が分かりやすそうです。

広告品質を考えるときは、 たとえば、

推定CTR クリックされそう?

広告が表示されたとき、クリックされる可能性

広告の関連性 検索意図に合っている?

検索している内容と広告内容の一致度

LPの利便性 クリック後も役立つ?

LPが検索ユーザーにとって関連性があり使いやすいか

といった視点が重要になります。

Google広告には、 これらを確認するための 品質スコア という診断指標があります。

ただし、

「品質スコア7だから広告ランク7」のように、品質スコアそのものが広告ランクになるわけではありません。

品質スコアは、 広告・キーワード・LPのどこに改善余地があるかを見るための診断材料 と考えます。

品質スコアについては、 次の記事で 「推定CTR・広告の関連性・LPの利便性」 に分けて詳しく解説します。

広告品質を推定CTR、広告の関連性、ランディングページの利便性から考える図
図解④ 広告品質を考える3つの視点 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
品質スコアの数字だけを上げるのが目的じゃない!
「検索した人にとって本当に役立つ広告?」から考えよう!
佐藤さん

⑤ 高く入札すれば必ず勝つ?|入札額が低くても上位になることがある

ここまでを使って、 具体例を考えてみます。

広告主 入札 広告・LPの品質 イメージ
居酒屋A 高い 低い 検索意図との関連性が弱い
居酒屋B Aより低い 高い 検索内容と広告・LPがよく合っている

入札額だけなら、 居酒屋Aが有利です。

でも、 居酒屋Bの方が広告やLPの品質が高ければ、 居酒屋Bがより良い掲載位置を獲得する可能性 があります。

図解で整理|入札単価が高いだけでは勝てない

ここを、具体的な数字で整理してみます。

居酒屋A 最大CPC 200円|広告品質:低い

入札額は高いものの、「新宿 居酒屋 個室」という検索意図との関連性が弱く、 LPでも個室情報が分かりにくい。

居酒屋B 最大CPC 150円|広告品質:高い

入札額はAより低くても、広告文に「新宿・個室」を明記し、 LPでも個室・料金・予約情報を確認できる。

居酒屋A:入札 200円 × 品質が低い
VS
居酒屋B:入札 150円 × 品質が高い
↓
居酒屋Bが上位に表示される可能性もある

つまり、 「入札単価が高い=必ず上位表示」ではありません。 入札額は広告ランクを決める要素のひとつであり、 広告やLPの品質、検索時の状況なども合わせて判断されます。

NGな理解 一番高く入札したお店が勝つ
より正確な理解 入札+品質+検索状況などで決まる

この仕組みがあることで、 広告予算が大きいお店だけが一方的に有利になるのではなく、 ユーザーにとって関連性の高い広告を作ることにも意味 が生まれます。

入札単価を上げることだけが、広告掲載を改善する方法ではありません。

広告文やキーワード、 LPとのつながりを改善することも、 広告運用者ができる重要な改善です。

高い入札単価だけでなく広告品質も広告オークションの結果に関係する比較図
図解⑤ 高く入札すれば必ず勝てるわけではない 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
競合より予算が少なくても、できることはある!
キーワード・広告・LPのつながりを良くしていこう!
佐藤さん

⑥ 広告ランクの考え方|「入札単価×品質スコア」だけではない

広告オークションを説明するとき、

広告ランク = 入札単価 × 品質スコア

のような説明を目にすることがあります。

初心者が 「入札額だけでは決まらない」 と理解するには分かりやすい考え方です。

ただし、実際のGoogle広告はもっと複雑です。

広告ランクには、

01 入札単価
02 広告とLPの品質
03 広告ランクの下限値
04 オークションの競争状況
05 検索した人・検索時の状況
06 広告アセットなどの期待効果

など、複数の要素が関係します。

そして、 検索されるたびに広告ランクが計算される ため、 同じ広告でも掲載位置が変わることがあります。

「品質スコアを上げれば必ず1位になる」でも、「入札額を上げれば必ず1位になる」でもない。

広告ランクは、 その検索時点でのさまざまな条件を含めて決まるものです。

広告ランクが入札単価、広告品質、検索時の状況、競争状況、広告アセットなど複数要因から決まる図
図解⑥ 広告ランクは複数の要素から決まる 画像をタップすると拡大できます

「広告が出ない・順位が低い=入札単価が低い」とすぐ決めつけない ことが重要です。

⑦ 運用者ができること|「入札を上げる」以外にも改善できる

では、 広告が思うように表示されないとき、 運用者は何を確認すればよいのでしょうか。

私なら、 入札額だけを見るのではなく、次の順番で確認 します。

1.そもそも広告は掲載対象になっている?

キーワードは検索内容と合っている?
地域設定は合っている?
広告は承認されている?
予算不足になっていない?

2.入札条件に問題はない?

入札が低すぎれば、 オークションで十分に競争できないことがあります。

ただし、

表示されない
↓
とりあえず入札を上げる

と決めつけません。

3.検索意図と広告は合っている?

キーワードと広告文は合っている?
ユーザーが欲しい情報が広告に入っている?
広告からLPまで内容がつながっている?

4.LPはユーザーが求める内容になっている?

たとえば、

「新宿 居酒屋 個室」
と検索
↓
「新宿の個室居酒屋|2名から個室OK」広告
↓
個室写真・コース料金・空席情報・予約ボタンがあるLP

なら、 ユーザーの期待がつながっています。

一方で、

「新宿 居酒屋 個室」
と検索
↓
「新宿の個室居酒屋|2名から個室OK」広告
↓
店舗トップページ

では、 欲しい情報を探し直す必要があります。

5.広告アセットも活用できている?

サイトリンクなどの広告アセットも、 広告ランクではその期待効果が考慮されます。

だから、 単に広告文だけではなく、 検索ユーザーが必要とする情報へ進みやすい広告全体 を考えます。

「何を上げる?」ではなく「なぜ表示されない?」から考える

広告の表示・掲載位置が悪い
↓
入札が原因?
品質が原因?
検索との関連性は?
LPは?
競争状況は?
↓
原因仮説
↓
必要な改善

「表示順位を上げたい=入札単価を上げる」ではなく、まず何が原因かを考える。

広告掲載を改善するときに入札、広告品質、検索意図、ランディングページなどを確認する流れ
図解⑦ 広告が出ないとき「入札を上げる」だけで考えない 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
広告が出ないときほど、「入札が低い!」と決めつけない!
入札・広告・LP・検索意図を分けて、原因を探していこう!
佐藤さん
広告オークションは「お金だけの勝負」ではない。入札とユーザーにとっての広告品質を両方考える。

Google広告では、 検索されるたびに広告オークションが行われます。

そして、

検索
↓
広告オークション
↓
入札単価
+
広告・LPの品質
+
検索時の状況など
↓
広告ランク
↓
掲載可否・掲載位置

が決まります。

だから広告運用では、

入札額は適切? 検索意図と広告は合っている? 広告とLPはつながっている? ユーザーにとって役立つ内容?

を考えることが重要です。

「もっとお金を出せば表示される?」ではなく、「なぜこの広告は選ばれる・選ばれない?」を考える ことが、広告オークションを理解する第一歩です。