コンバージョンは全部同じ価値?|機械学習に「価値」を伝える広告運用

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田中くん
田中くん
佐藤さん、予約が20件取れた広告と10件取れた広告なら、
20件取れた広告の方が良いですよね?
佐藤さん
そう見えるね。
ところで、その20件と10件は、どんな予約だった?
佐藤さん
田中くん
田中くん
広告Aはランチ予約が20件で、
広告Bは宴会予約が10件です。
佐藤さん
じゃあ、ランチ予約1件と宴会予約1件は、本当に同じ価値かな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
あ……。
宴会の方が売上は大きいですね。
佐藤さん
そう!
「何件取れた?」だけじゃなく、「どんな価値の成果を取れた?」まで見ると、広告の見え方が変わるよ!
佐藤さん
コンバージョンは、すべて同じ「1件」として考えていいのでしょうか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告初心者が陥るワナ|すべてのコンバージョンを「同じ1件」として見ていない?

広告レポートを見るとき、

広告A:CV 20件
広告B:CV 10件

と表示されていたら、 広告Aの方が良い と考えたくなります。

もちろん、CV数は重要です。

でも、本当に見るべきなのは、

「何件取れたか?」だけでしょうか。

たとえば飲食店なら、

LINE登録 1件
ランチ予約 1件
ディナー予約 1件
宴会予約 1件

は、すべて「1件」です。

でも、事業への貢献度は同じとは限りません。

コンバージョン数が同じでも、コンバージョンの中身によって事業への価値は変わる からです。

LINE登録、ランチ予約、ディナー予約、宴会予約はすべて1CVでも事業への価値が違うことを示す図
図解① すべての「1CV」は同じ価値? 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
CV数を見るだけで終わらない!
「その1件は、事業にどれくらい価値がある?」まで考えてみよう!
佐藤さん

② 本当にそう?|CV数が多ければ、広告成果も良い?

たとえば、2つの広告を比較してみます。

広告 主な成果 CV数 平均売上
広告A ランチ予約 20件 4,000円
広告B 宴会予約 10件 40,000円

CV数だけを見ると、

広告A 20CV

一見こちらが勝ち

広告B 10CV

CV数はAの半分

です。

でも単純に平均売上を掛けると、

広告A 4,000円 × 20件 = 80,000円
広告B 40,000円 × 10件 = 400,000円

となります。

CV数ではAが勝っていても、事業への価値ではBの方が大きいかもしれません。

もちろん、実際には広告費、来店率、キャンセル率、利益率なども確認する必要があります。

ここで伝えたいのは、

「CVが何件取れたか」と「その広告がどれだけ事業に貢献したか」は、必ずしも同じではない

ということです。

CV数では広告Aが多いが、売上価値では宴会予約を獲得した広告Bが大きい例
図解② 「CV数が多い」と「事業価値が高い」は同じではない 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「何件?」の次に「どんな1件?」を見よう!
CV数だけでは見えない事業への貢献が見えてくるよ!
佐藤さん

③ コンバージョン価値って何?|成果に「重み」を持たせて考える

コンバージョン価値とは、 そのコンバージョンが事業にとってどれくらい価値があるのか を数値で表す考え方です。

たとえば、

LINE登録 価値:小
→
ランチ予約 価値:中
→
宴会予約 価値:大

のように、 成果ごとの事業インパクトを考える ことができます。

ただし、ここで注意したいのが、

「宴会の方が大事そうだから10倍!」のように、感覚だけで価値を決めないこと。

価値には、できるだけ 事業データの根拠 を持たせます。

平均売上
平均粗利
来店率
成約率
キャンセル率
継続率・リピート率

などです。

コンバージョン価値は「重要そうだから付ける数字」ではなく、事業成果を広告の判断に近づけるための数字 と考えると分かりやすいです。

コンバージョン価値は売上、粗利、来店率、成約率などの事業データをもとに考えることを示す図
図解③ コンバージョン価値は「事業データ」から考える 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
価値は「なんとなく」で決めない!
売上・利益・来店率など、できるだけ根拠のある数字から考えよう!
佐藤さん

④ 具体例|飲食店ならコンバージョン価値をどう考える?

では、飲食店を例に考えてみます。

仮に、過去データから次のような数字が分かっていたとします。

コンバージョン 平均売上 来店率 期待売上
ランチ予約 4,000円 90% 3,600円
ディナー予約 8,000円 90% 7,200円
宴会予約 40,000円 80% 32,000円

ここでは分かりやすく、

期待売上 = 平均売上 × 来店率

と考えています。

すると、

ランチ予約 4,000円 × 90% = 3,600円
ディナー予約 8,000円 × 90% = 7,200円
宴会予約 40,000円 × 80% = 32,000円

となります。

この考え方なら、 「全部1CVだから同じ」ではなく、予約の種類によって期待できる事業価値が違う ことを表現できます。

さらに利益まで分かるのであれば、 売上ではなく 期待粗利 で考える方法もあります。

期待粗利 = 平均粗利 × 来店率

事業によっては、こちらの方が本当の成果に近い場合もあります。

「価値を入れる」目的は、広告管理画面をきれいにすることではなく、広告評価を事業成果に近づけること。

飲食店のランチ予約、ディナー予約、宴会予約について平均売上と来店率から期待価値を算出する例
図解④ 平均売上 × 来店率からコンバージョン価値を考える例 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
まずは完璧な価値を作ろうとしなくてOK!
「どの成果がどれくらい事業に近い?」を数字で整理するところから始めよう!
佐藤さん

⑤ なぜ機械学習と相性がいい?|「件数」だけでなく「価値」を判断材料にできる

前の記事では、 機械学習は、与えられた目標・データ・条件の中で最適化する と説明しました。

では、機械学習へ渡すデータが、

ランチ予約:1CV
ディナー予約:1CV
宴会予約:1CV

だけだったらどうでしょうか。

「件数」だけを見るなら、 どれも同じ1件 です。

一方で、

ランチ予約:3,600円相当
ディナー予約:7,200円相当
宴会予約:32,000円相当

のような価値情報を持たせられれば、 どの成果が事業にとって大きいのか という情報も表現できます。

媒体や利用する入札・最適化方法によっては、 こうした価値情報を使って より価値の高い成果を重視した配信 を目指すこともできます。

機械学習に「どんなユーザーを探して」と直接教えるのではなく、「どんな成果に価値があるか」というデータを渡す。

これも、機械学習を活かす方法のひとつです。

CV件数だけを渡す場合と、コンバージョン価値も渡す場合の機械学習への情報の違い
図解⑤ 機械学習に「件数」だけでなく「価値」も伝える 画像をタップすると拡大できます
機械学習との向き合い方
3-9 機械学習との向き合い方|成果が悪いとき「機械学習のせい」にしていない?

機械学習に任せることと、丸投げすることは別。 人が考えるべきことと、機械学習に任せることを整理します。

3-9を読む →
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
機械学習に渡すデータも「設計」のひとつ!
件数だけでなく、事業にとって大切な成果が伝わるデータを考えてみよう!
佐藤さん

⑥ 私ならどう判断する?|コンバージョン価値を設計する6ステップ

STEP1|最終的な事業ゴールを決める

最初に確認するのは、 広告の先で何を増やしたいのか です。

予約数?
来店数?
売上?
粗利?
リピートまで含めた顧客価値?

ゴールが決まらなければ、 何を価値として評価するか も決まりません。

STEP2|コンバージョンの種類を整理する

次に、広告から発生している行動を整理します。

メニュー閲覧
LINE登録
電話タップ
ランチ予約
ディナー予約
宴会予約

この段階では、 「何が計測できているか」 を整理します。

STEP3|それぞれの成果がゴールにどれだけ近いかを見る

たとえば、

メニュー閲覧 遠い
→
LINE登録 中間
→
予約 近い
→
来店・売上 ゴール

のように、 事業ゴールとの距離 を見ます。

STEP4|価値の根拠になるデータを探す

次に、

平均客単価
平均売上
粗利
来店率
キャンセル率
成約率
リピート率

などから、価値を考えます。

できるだけ、 実際の事業データから算出する のが理想です。

STEP5|価値の数字が本当に意味を持つか確認する

ここで注意したいのが、

「LINE登録は500円、予約は5,000円にしておこう」

のような、 根拠のない価値設定 です。

数字を付けること自体が目的ではありません。

価値が間違っていれば、機械学習へ間違った優先順位を伝える可能性があります。

そのため、

「なぜこの金額?」 「どのデータから出した?」 「今もその価値は妥当?」

を確認します。

STEP6|設定した後も、事業成果と照らして更新する

一度価値を設定したら終わりではありません。

たとえば、

客単価が変わった
宴会のキャンセル率が上がった
利益率が変わった
リピート率が変わった

のであれば、価値の前提も変わります。

だから、 コンバージョン価値も「一度決めて固定」ではなく、事業データに合わせて見直す ことが重要です。

事業ゴール、CV種類、ゴールとの距離、事業データ、価値設定、見直しの順でコンバージョン価値を設計する6ステップ
図解⑥ コンバージョン価値を設計する6ステップ 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「価値を設定する」がゴールじゃない!
実際の来店・売上と合っているかを見ながら、価値もアップデートしていこう!
佐藤さん

⑦ NG / OK|CV数だけを見る運用と、事業価値まで見る運用

NG|すべてのCVを同じ「1件」で判断する

CV数を見る
↓
多い広告を勝ちにする
↓
CPAだけを見る
↓
予約の中身を見ない
↓
来店・売上を見ない
↓
事業への貢献が分からない

NG|価値を感覚で決める

「宴会が大事そう」
↓
とりあえず10倍
↓
根拠なし
↓
機械学習へ渡す
↓
間違った優先順位になる可能性

OK|事業成果から逆算して価値を考える

事業ゴール
↓
CVの種類
↓
来店率・売上・粗利
↓
コンバージョン価値
↓
広告評価・最適化
↓
実際の事業成果で再評価

「広告管理画面の数字」を事業成果へ近づけるために、コンバージョン価値を使う。

CV数だけで判断するNG運用と、事業データからコンバージョン価値を考えるOK運用の比較
図解⑦ CV数だけを見る運用と、事業価値まで見る運用 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「たくさん取れた」だけで終わらない!
「その成果は事業にどれだけ貢献した?」まで見られると、広告評価が一段深くなるよ!
佐藤さん

⑧ まとめ|「何件取れた?」から「どれだけ価値を生んだ?」へ

1.すべてのCVが同じ価値とは限らない

ランチ予約1件と宴会予約1件では、 売上・利益へのインパクトが違う ことがあります。

だから、

「1CV=1CV」でも、「事業価値=同じ」とは限らない。

2.価値は事業データから考える

コンバージョン価値は、 感覚で付ける数字ではありません。

平均売上
粗利
来店率
成約率
キャンセル率
リピート率

などを使って、 できるだけ事業の実態に近い価値 を考えます。

3.機械学習には「何が大事か」をデータで伝える

機械学習は、 私たちの事業を勝手に理解してくれるわけではありません。

だから、

事業で大切な成果を決める
↓
その成果を正しく計測する
↓
価値を考える
↓
必要に応じて媒体へ渡す
↓
結果を事業成果で評価する

という設計が重要になります。

4.最終的に見るのは広告管理画面ではなく事業成果

価値を設定しても、 広告管理画面の数字だけで判断してはいけません。

最終的には、

本当に来店した? 売上につながった? 利益につながった? 価値設定は実態と合っている?

を確認します。

コンバージョン価値は、機械学習のためだけの数字ではなく、広告と事業成果をつなぐための数字。

CV数からコンバージョン価値、来店、売上、利益へ広告評価を事業成果に近づける流れ
図解⑧ 「CV数」から「事業価値」へ 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「何件取れた?」から一歩進んで「どれだけ価値を生んだ?」まで考えよう!
広告の数字と事業の数字がつながると、機械学習ももっと活かしやすくなるよ!
佐藤さん
コンバージョン価値とは、「CVに適当な金額を付けること」ではなく、広告成果を事業成果へ近づけて評価するための考え方。

CV数を見ることは大切です。

CPAを見ることも大切です。

でも、その先に、 「そのコンバージョンは、事業にどれだけ価値を生んだのか?」 という視点を持つと、広告の見え方は変わります。

機械学習に任せる範囲が広がるほど、 何を成果として渡すのか、どんな成果に価値があるのかを設計する仕事 は、より重要になっていくと考えています。