良い広告クリエイティブって何?|「目立つ広告」ではなく「行動につながる広告」を考える

クリエイティブ
田中くん
田中くん
佐藤さん、このバナーどうですか?
かなりおしゃれに作れたと思うんです!
佐藤さん
きれいだね!
ちなみに、誰に向けた広告なの?
佐藤さん
田中くん
田中くん
えっ……。
とりあえず、飲食店を探している人です。
佐藤さん
じゃあ、その人がこの広告を見て、
「ここ、自分に合いそう!」と思う理由は何だろう?
佐藤さん
田中くん
田中くん
うーん……。
デザインがきれいだから、クリックしてくれるかなって。
佐藤さん
クリックも大切。
でも、広告の目的が予約なら、クリックされたあとまで見たいよね!
佐藤さん
田中くん
田中くん
じゃあ、「良い広告」って何で判断するんですか?
佐藤さん
まずは、「誰に・何を・どう伝える?」から考えてみよう!
佐藤さん
「きれい」「目立つ」「クリックされる」だけで、良い広告と言えるのか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告初心者が陥るワナ|「きれいな広告=良い広告」になっていない?

広告クリエイティブを作るとき、

「おしゃれにしよう」
「高級感を出そう」
「目立つ色を使おう」
「とにかくクリックされるデザインにしよう」

と考えることがあります。

もちろん、デザインは大切です。

文字が読みにくい。
何のお店か分からない。
情報が整理されていない。

という広告では、そもそも内容が伝わりません。

でも、

デザインがきれいだから、広告成果が良くなるとは限りません。

たとえば、とてもおしゃれな飲食店の広告を作ったとします。

料理写真もきれい
フォントも高級感がある
レイアウトも洗練されている

でも、ユーザーからすると、

「このお店は、自分が今探しているお店なの?」

が分からないかもしれません。

子ども連れで入りやすい?
デート向き?
ランチに使いやすい?
友人とゆっくり話せる?
仕事の会食に使える?

こうした情報が伝わらなければ、 「きれいな広告」 ではあっても、 「自分ごととして感じられる広告」 にはなっていません。

デザインがきれいな広告と、誰向けでどんな価値があるかが伝わり予約や来店につながる広告の違い
図解① デザインが良い広告と成果につながる広告の違い 画像をタップすると拡大できます

広告クリエイティブで大切なのは、

「見た目が良いか」だけではなく、「ユーザーに意味が伝わっているか」 です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
デザインを見る前に「誰に何を伝える?」をチェック!
きれいに作ることより、まず「自分に合いそう」と思ってもらえる広告を目指そう!
佐藤さん

② 本当にそう?|CTRが高ければ良い広告?

広告クリエイティブを評価するとき、 CTR を見ることがあります。

CTRが高いということは、広告を見た人の中で、クリックした人の割合が高いということです。

そのためCTRは、 クリエイティブへの反応を見る重要な指標 です。

でも、

CTRが高い=良い広告、とは限りません。

たとえば、

広告A CTR:3.0% CVR:0.5% CPA:20,000円
VS
広告B CTR:1.5% CVR:3.0% CPA:8,000円

CTRだけを見ると、広告Aの方が良く見えます。

でも、予約などの最終成果まで見ると、 広告Bの方が成果につながっています。

CTR3パーセントでCPA20000円の広告AとCTR1.5パーセントでCPA8000円の広告Bを比較し、最終成果では広告Bが優れている例
図解② CTRだけでは「良い広告」は決められない 画像をタップすると拡大できます

では、なぜこんなことが起こるのでしょうか。

たとえば広告Aが、

「ランチ500円!」
「今だけ半額!」

のような強い価格訴求をしていたとします。

クリックは増えるかもしれません。

でもページを開いてみたら、

対象メニューが限定されていた
利用条件があった
自分が探していた雰囲気のお店ではなかった

ということがあれば、予約にはつながらないかもしれません。

「クリックしたくなる広告」と「予約したくなる広告」は、必ずしも同じではありません。

CTRは、 ユーザーが広告に反応したかを見る指標 です。

でも最終的には、

CVR
CPA
予約数
来店数
売上

など、 広告の目的につながる数字まで確認する 必要があります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
CTRは大事。でも、CTRだけで勝ち広告を決めない!
予約が目的なら、CVR・CPA・予約数までセットで見ていこう!
佐藤さん

③ なぜそうなる?|広告は「誰に・何を・どう伝えるか」で考える

良い広告クリエイティブを考えるとき、私はまずデザインから考えません。

その前に、

誰に? 何を? どう伝える?

を考えます。

1.誰に伝える?

まず考えるのは、 誰に見てほしい広告なのか です。

たとえば、 「個室がある飲食店」 ひとつを取っても、ユーザーによって魅力に感じるポイントは違います。

子ども連れの家族 周囲を気にせず食事できる

子どもがいても入りやすく、家族でゆっくり過ごせる

友人同士 会話を楽しみやすい

周囲を気にせず、ゆっくり話せる

仕事の会食 落ち着いて話せる

静かな空間で、周囲を気にせず会話できる

つまり、

同じ商品・サービスでも、誰に伝えるかによって訴求は変わります。

2.何を伝える?

次に、その人にとって、 何が一番魅力なのか を考えます。

ここでよくあるのが、商品の特徴をそのまま広告にすることです。

たとえば、 「個室あり」 という特徴があったとします。

もちろん、これは事実です。

でもユーザーが本当に知りたいのは、

「個室があることで、自分に何が良いの?」

かもしれません。

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず過ごせる
↓
ベネフィット 家族でゆっくり食事を楽しめる
↓
訴求 「子どもと一緒でも、周りを気にせずゆっくりランチ。」
個室ありという特徴から、周囲を気にせず過ごせるメリット、家族でゆっくり食事できるベネフィット、訴求へ変換する流れ
図解③ 特徴からユーザー価値へ 画像をタップすると拡大できます

このように、 特徴 → メリット → ベネフィット まで考えると、ユーザーに刺さる訴求を作りやすくなります。

3.どう伝える?

誰に何を伝えるかが決まったら、最後に、 どう見せれば伝わるか を考えます。

写真
コピー
文字量
レイアウト
色
フォント

などを考えます。

たとえば、子ども連れの家族に、 「周囲を気にせず食事できる」 ことを伝えたいとします。

その場合、高級料理のアップだけではなく、 個室で家族が食事している様子 の方が、利用シーンを想像しやすいかもしれません。

デザインは、伝えたい価値をユーザーに届けるための手段です。

誰に、何を伝える、なぜ刺さる、どう見せる、写真コピーとデザインの順番でクリエイティブを作る流れ
図解④ 良いクリエイティブを作る順番 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
デザインは最後!まず「誰に・何を?」を決めよう!
伝える価値が決まれば、写真やコピーもグッと選びやすくなるよ!
佐藤さん

④ 具体例|同じ飲食店でも「誰に伝えるか」で広告は変わる

たとえば、ある飲食店に、

個室あり
駅から徒歩3分
ランチ営業あり
注文から10分程度で提供
コース料理あり

という特徴があったとします。

これをそのまま広告に入れると、

「個室あり」
「駅徒歩3分」
「ランチ営業中」
「コース料理あり」

という広告になります。

間違いではありません。

でも、 「誰にとって、なぜ良いのか」 まで考えると、訴求は変わります。

ペルソナA|昼休みに利用したい会社員

この人にとって、 「注文から10分程度で提供」 という情報は、単なる提供時間の話ではありません。

特徴 注文から10分程度で提供
↓
メリット 待ち時間が短い
↓
ベネフィット 昼休みが短くても利用しやすい

そこで、

「忙しい昼休みでも、ちゃんとランチ。」

のような訴求が考えられます。

ペルソナB|小さな子どもがいる家族

同じお店でも、この人には 「個室」 が重要かもしれません。

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず過ごせる
↓
ベネフィット 子どもと一緒でも、家族でゆっくり食事できる
「子どもと一緒でも、周りを気にせずゆっくりランチ。」

ペルソナC|友人とゆっくり話したい人

同じ 「個室あり」 でも、今度は価値が変わります。

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲の声が気になりにくい
↓
ベネフィット 友人との会話をゆっくり楽しめる
「久しぶりの友人と、ゆっくり話せる。」
同じ飲食店でも会社員、子ども連れ、友人同士で重視する特徴と広告訴求が変わる例
図解⑤ 同じ飲食店でもターゲットで訴求が変わる 画像をタップすると拡大できます

商品の特徴が広告コピーを決めるのではなく、「誰に、その特徴をどう価値として届けるか」がコピーを決めます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
同じ特徴でも、相手が変われば価値も変わる!
「この人にとって、何がうれしい?」まで考えてコピーにしてみよう!
佐藤さん

⑤ 私ならどう判断する?|良いクリエイティブかを見る5つのポイント

私の場合、広告クリエイティブを見るときは、 「デザインがきれいか?」 だけでは判断しません。

主に次の5つを確認します。

STEP1|誰向けの広告か分かる?

まず、 「これは誰のための広告?」 を確認します。

NG:こだわりの料理をお楽しみください

OK:子どもと一緒でも、周りを気にせずゆっくりランチ。

誰にでも当てはまりそうな広告は、結果的に、 誰にも強く刺さらない ことがあります。

STEP2|何が魅力なのか一瞬で分かる?

ユーザーは、広告をじっくり読んでくれるとは限りません。

そのため、 「この店を選ぶと何が良いの?」 がすぐ分かる必要があります。

個室あり
駅近
飲み放題あり
地元食材使用
コースあり

と全部並べるより、

「子ども連れでもゆっくり過ごせる個室ランチ」

のように、 一番伝えたい価値を絞る 方が分かりやすくなります。

STEP3|特徴ではなくメリット・ベネフィットになっている?

たとえば、

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず食事できる
↓
ベネフィット 家族でゆっくり食事を楽しめる

また、

特徴 提供が早い
↓
メリット 待ち時間が短い
↓
ベネフィット 忙しい昼休みでも安心して利用できる
個室ありや提供が早いという特徴から、メリットとベネフィットまで考える比較
図解⑥ 特徴で終わらせず、メリット・ベネフィットまで考える 画像をタップすると拡大できます

広告では、 「それによって自分に何が良いのか」 まで伝えることが重要です。

STEP4|広告とLPの内容はつながっている?

広告で、 「子ども連れでも安心の個室ランチ」 を強く訴求したとします。

でもページを開いたら、

シェフの経歴
食材へのこだわり
店舗の歴史

が最初に表示される。

これでは、ユーザーが広告で期待した内容と、LPの内容にズレが生まれます。

ユーザーが知りたいのは、

個室の写真はある?
子ども用の椅子はある?
どんなランチメニュー?
予約できる?

といった情報かもしれません。

広告は、クリックさせれば終わりではありません。

広告
↓
LP・店舗ページ
↓
メニュー・詳細
↓
予約
↓
来店
子ども連れ向け個室ランチという広告訴求からLPでも個室情報を見せて予約につなげるOK例と、広告とLPがズレるNG例
図解⑦ 広告とLPのメッセージをつなげる 画像をタップすると拡大できます

STEP5|最終成果につながっている?

最後に数字を見ます。

CTR
↓
CVR
↓
CPA
↓
予約数
↓
来店数・売上

良い広告かどうかは、 何を目的に配信しているか によって決まります。

認知目的なら、見てもらえたか、覚えてもらえたかなども重要です。

一方で予約獲得が目的なら、

CTRが高いかではなく、予約につながっているかまで見る。

誰向け、何が魅力、メリットとベネフィット、広告とLPのつながり、最終成果というクリエイティブ評価の5ポイント
図解⑧ クリエイティブ評価の5ポイント 画像をタップすると拡大できます

つまり、 「良い広告」は広告の目的によって評価する ことが大切です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
クリエイティブは5つの視点でチェック!
誰向け?価値は?ベネフィットは?LPにつながる?最後に成果まで見よう!
佐藤さん

⑥ NG / OK|「伝えたいこと」だけで広告を作っていない?

NG|店舗が伝えたいことを全部入れる

店舗が伝えたいこと
↓
個室あり
↓
駅近
↓
飲み放題あり
↓
地元食材使用
↓
創業20年
↓
全部広告に入れる
↓
ユーザー:「結局、自分に何が良いの?」

店舗側からすると、すべて大切な情報です。

でもユーザーが最初から、すべて知りたいとは限りません。

OK|ユーザーが知りたいことから考える

誰に届ける?
↓
その人は何のために店を探している?
↓
何に困っている?
↓
店舗のどの特徴が役立つ?
↓
どんなメリット・ベネフィットがある?
↓
一番伝える価値を決める
↓
広告として表現
店舗が伝えたいことをそのまま広告にするNGと、ユーザーの目的や悩みから特徴、メリット、ベネフィット、訴求へつなげるOKの比較
図解⑨ 「伝えたい広告」と「ユーザー起点の広告」 画像をタップすると拡大できます

広告で大切なのは、 「私たちはこれを伝えたい」 だけではありません。

その前に、

「ユーザーは何を知りたい?」

を考えます。

そして、

企業・店舗が伝えたいこと
×
ユーザーが知りたいこと

が重なる場所を探します。

その重なりが、広告で伝えるべき訴求になります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「何を伝えたい?」の前に「何を知りたい?」!
ユーザーが求める価値と、自分たちの強みが重なる場所を探そう!
佐藤さん

⑦ まとめ|良い広告は、ユーザーの行動につながる広告

1.「きれいな広告=良い広告」ではない

デザインは大切です。

でもデザインは、 価値を伝えるための手段 です。

誰に何を伝えるかが決まっていなければ、きれいでも成果につながらないことがあります。

2.CTRだけで広告を評価しない

CTRは、広告への反応を見る大切な指標です。

でも最終目的が予約なら、

CVR
CPA
予約数
来店数

まで確認します。

クリックされることではなく、その先の行動につながっているかを見る。

3.「誰に・何を・どう伝えるか」を考える

良いクリエイティブは、いきなりデザインから作りません。

誰に?
↓
どんな目的・悩みがある?
↓
何を求めている?
↓
商品・サービスのどの特徴が価値になる?
↓
メリット・ベネフィットは?
↓
何を一番伝える?
↓
どう見せる?

4.広告だけではなく、LPや予約までつなげて考える

広告で期待を作り、LPや店舗ページでその期待に応え、最終的に予約・来店してもらう。

広告クリエイティブは、 ユーザー体験の入口 です。

ターゲット、目的や悩み、特徴、メリット、ベネフィット、訴求、クリエイティブ、LP、予約来店、結果改善までの良い広告クリエイティブを作る流れ
図解⑩ 良い広告クリエイティブを作る流れ 画像をタップすると拡大できます

良い広告クリエイティブとは、単に、

「目立つ広告」
「クリックされる広告」
「デザインがきれいな広告」

ではありません。

良い広告クリエイティブとは 届けたいユーザーに「自分に合っている」と感じてもらい、
その人が求めている価値を伝え、次の行動につなげられる広告。

そのためには、広告を作る前に、

「この人は、なぜこの広告を見る?」 「なぜクリックする?」 「クリックしたあと、何を期待している?」

を考えます。

数字を見るときも、 「CTRが高いから良かった」 で終わらせません。

「なぜクリックされた?」 「なぜ予約につながった?」

まで考えます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
良い広告は「目立った広告」じゃなく「行動につながった広告」!
いつも「このユーザーは、なぜ動く?」から考えていこう!
佐藤さん
良いクリエイティブは、ユーザーの「なぜ?」を考えることから始まる。

クリエイティブ制作も広告運用も、 ユーザーの心理と、その先の行動まで考えること が成果改善につながっていくと考えています。