20件取れた広告の方が良いですよね?
ところで、その20件と10件は、どんな予約だった?
広告Bは宴会予約が10件です。
宴会の方が売上は大きいですね。
「何件取れた?」だけじゃなく、「どんな価値の成果を取れた?」まで見ると、広告の見え方が変わるよ!
① 広告初心者が陥るワナ|すべてのコンバージョンを「同じ1件」として見ていない?
広告レポートを見るとき、
広告B:CV 10件
と表示されていたら、 広告Aの方が良い と考えたくなります。
もちろん、CV数は重要です。
でも、本当に見るべきなのは、
「何件取れたか?」だけでしょうか。
たとえば飲食店なら、
ランチ予約 1件
ディナー予約 1件
宴会予約 1件
は、すべて「1件」です。
でも、事業への貢献度は同じとは限りません。
コンバージョン数が同じでも、コンバージョンの中身によって事業への価値は変わる からです。
「その1件は、事業にどれくらい価値がある?」まで考えてみよう!
② 本当にそう?|CV数が多ければ、広告成果も良い?
たとえば、2つの広告を比較してみます。
| 広告 | 主な成果 | CV数 | 平均売上 |
|---|---|---|---|
| 広告A | ランチ予約 | 20件 | 4,000円 |
| 広告B | 宴会予約 | 10件 | 40,000円 |
CV数だけを見ると、
一見こちらが勝ち
CV数はAの半分
です。
でも単純に平均売上を掛けると、
となります。
CV数ではAが勝っていても、事業への価値ではBの方が大きいかもしれません。
もちろん、実際には広告費、来店率、キャンセル率、利益率なども確認する必要があります。
ここで伝えたいのは、
「CVが何件取れたか」と「その広告がどれだけ事業に貢献したか」は、必ずしも同じではない
ということです。
CV数だけでは見えない事業への貢献が見えてくるよ!
③ コンバージョン価値って何?|成果に「重み」を持たせて考える
コンバージョン価値とは、 そのコンバージョンが事業にとってどれくらい価値があるのか を数値で表す考え方です。
たとえば、
のように、 成果ごとの事業インパクトを考える ことができます。
ただし、ここで注意したいのが、
「宴会の方が大事そうだから10倍!」のように、感覚だけで価値を決めないこと。
価値には、できるだけ 事業データの根拠 を持たせます。
平均粗利
来店率
成約率
キャンセル率
継続率・リピート率
などです。
コンバージョン価値は「重要そうだから付ける数字」ではなく、事業成果を広告の判断に近づけるための数字 と考えると分かりやすいです。
売上・利益・来店率など、できるだけ根拠のある数字から考えよう!
④ 具体例|飲食店ならコンバージョン価値をどう考える?
では、飲食店を例に考えてみます。
仮に、過去データから次のような数字が分かっていたとします。
| コンバージョン | 平均売上 | 来店率 | 期待売上 |
|---|---|---|---|
| ランチ予約 | 4,000円 | 90% | 3,600円 |
| ディナー予約 | 8,000円 | 90% | 7,200円 |
| 宴会予約 | 40,000円 | 80% | 32,000円 |
ここでは分かりやすく、
と考えています。
すると、
となります。
この考え方なら、 「全部1CVだから同じ」ではなく、予約の種類によって期待できる事業価値が違う ことを表現できます。
さらに利益まで分かるのであれば、 売上ではなく 期待粗利 で考える方法もあります。
事業によっては、こちらの方が本当の成果に近い場合もあります。
「価値を入れる」目的は、広告管理画面をきれいにすることではなく、広告評価を事業成果に近づけること。
「どの成果がどれくらい事業に近い?」を数字で整理するところから始めよう!
⑤ なぜ機械学習と相性がいい?|「件数」だけでなく「価値」を判断材料にできる
前の記事では、 機械学習は、与えられた目標・データ・条件の中で最適化する と説明しました。
では、機械学習へ渡すデータが、
ディナー予約:1CV
宴会予約:1CV
だけだったらどうでしょうか。
「件数」だけを見るなら、 どれも同じ1件 です。
一方で、
ディナー予約:7,200円相当
宴会予約:32,000円相当
のような価値情報を持たせられれば、 どの成果が事業にとって大きいのか という情報も表現できます。
媒体や利用する入札・最適化方法によっては、 こうした価値情報を使って より価値の高い成果を重視した配信 を目指すこともできます。
機械学習に「どんなユーザーを探して」と直接教えるのではなく、「どんな成果に価値があるか」というデータを渡す。
これも、機械学習を活かす方法のひとつです。
件数だけでなく、事業にとって大切な成果が伝わるデータを考えてみよう!
⑥ 私ならどう判断する?|コンバージョン価値を設計する6ステップ
STEP1|最終的な事業ゴールを決める
最初に確認するのは、 広告の先で何を増やしたいのか です。
来店数?
売上?
粗利?
リピートまで含めた顧客価値?
ゴールが決まらなければ、 何を価値として評価するか も決まりません。
STEP2|コンバージョンの種類を整理する
次に、広告から発生している行動を整理します。
LINE登録
電話タップ
ランチ予約
ディナー予約
宴会予約
この段階では、 「何が計測できているか」 を整理します。
STEP3|それぞれの成果がゴールにどれだけ近いかを見る
たとえば、
のように、 事業ゴールとの距離 を見ます。
STEP4|価値の根拠になるデータを探す
次に、
平均売上
粗利
来店率
キャンセル率
成約率
リピート率
などから、価値を考えます。
できるだけ、 実際の事業データから算出する のが理想です。
STEP5|価値の数字が本当に意味を持つか確認する
ここで注意したいのが、
のような、 根拠のない価値設定 です。
数字を付けること自体が目的ではありません。
価値が間違っていれば、機械学習へ間違った優先順位を伝える可能性があります。
そのため、
を確認します。
STEP6|設定した後も、事業成果と照らして更新する
一度価値を設定したら終わりではありません。
たとえば、
宴会のキャンセル率が上がった
利益率が変わった
リピート率が変わった
のであれば、価値の前提も変わります。
だから、 コンバージョン価値も「一度決めて固定」ではなく、事業データに合わせて見直す ことが重要です。
実際の来店・売上と合っているかを見ながら、価値もアップデートしていこう!
⑦ NG / OK|CV数だけを見る運用と、事業価値まで見る運用
NG|すべてのCVを同じ「1件」で判断する
↓
多い広告を勝ちにする
↓
CPAだけを見る
↓
予約の中身を見ない
↓
来店・売上を見ない
↓
事業への貢献が分からない
NG|価値を感覚で決める
↓
とりあえず10倍
↓
根拠なし
↓
機械学習へ渡す
↓
間違った優先順位になる可能性
OK|事業成果から逆算して価値を考える
↓
CVの種類
↓
来店率・売上・粗利
↓
コンバージョン価値
↓
広告評価・最適化
↓
実際の事業成果で再評価
「広告管理画面の数字」を事業成果へ近づけるために、コンバージョン価値を使う。
「その成果は事業にどれだけ貢献した?」まで見られると、広告評価が一段深くなるよ!
⑧ まとめ|「何件取れた?」から「どれだけ価値を生んだ?」へ
1.すべてのCVが同じ価値とは限らない
ランチ予約1件と宴会予約1件では、 売上・利益へのインパクトが違う ことがあります。
だから、
「1CV=1CV」でも、「事業価値=同じ」とは限らない。
2.価値は事業データから考える
コンバージョン価値は、 感覚で付ける数字ではありません。
粗利
来店率
成約率
キャンセル率
リピート率
などを使って、 できるだけ事業の実態に近い価値 を考えます。
3.機械学習には「何が大事か」をデータで伝える
機械学習は、 私たちの事業を勝手に理解してくれるわけではありません。
だから、
↓
その成果を正しく計測する
↓
価値を考える
↓
必要に応じて媒体へ渡す
↓
結果を事業成果で評価する
という設計が重要になります。
4.最終的に見るのは広告管理画面ではなく事業成果
価値を設定しても、 広告管理画面の数字だけで判断してはいけません。
最終的には、
を確認します。
コンバージョン価値は、機械学習のためだけの数字ではなく、広告と事業成果をつなぐための数字。
広告の数字と事業の数字がつながると、機械学習ももっと活かしやすくなるよ!
CV数を見ることは大切です。
CPAを見ることも大切です。
でも、その先に、 「そのコンバージョンは、事業にどれだけ価値を生んだのか?」 という視点を持つと、広告の見え方は変わります。
機械学習に任せる範囲が広がるほど、 何を成果として渡すのか、どんな成果に価値があるのかを設計する仕事 は、より重要になっていくと考えています。
