検索内容や時間帯、端末みたいなシグナルを見ているって話でしたよね。
じゃあ田中くん、それだけで機械学習(AI)は 「この広告配信が良かった」って分かるかな?
どんな状況だったかは分かっても、そのあと予約したかどうかまでは分からないですよね。
だから必要になるのが、CVデータなんだ。
でも、それだけじゃない。今回は、CVデータが機械学習(AI)に何を伝えているのかを考えてみよう!
① CVデータとは|「広告の先で何が起きたか」を記録する
CVとは、広告をクリックしたあとにユーザーが行った、 成果として計測したい行動 です。
たとえば飲食店なら、
電話発信
問い合わせ完了
通販なら、
定期購入
会員登録
住宅会社なら、
資料請求
問い合わせ
などが考えられます。
つまりCVデータとは、
広告を見た・クリックしたあと、その広告機会の先で何が起きたのかを記録するデータ。
② 成果計測だけではない|CVデータは機械学習(AI)の判断材料になる
CV計測には、 広告の成果を確認する という役割があります。
たとえば、
CV:10件
↓
CPA:10,000円
これは、人が広告成果を評価するときの使い方です。
しかし、CVを重視して最適化する広告配信では、 CVデータにはもうひとつ重要な役割があります。
「どんな広告機会の結果、成果につながったのか」を機械学習(AI)へ伝える。
前回の記事で見た検索内容・端末・時間帯・地域などのシグナルが、 「そのときの状況」 だとすれば、
CVデータは「その状況の結果、成果につながったのか」を伝える材料 です。
③ 「CVした・しなかった」という結果|予測には結果とのつながりが必要
たとえば、次の2つの広告機会があったとします。
平日14時
PC
結果:予約なし
金曜19時
スマートフォン
結果:予約あり
このとき重要なのは、
と単純に考えることではありません。
機械学習(AI)は、 検索内容・時間帯・端末・地域などの条件と、 その結果CVしたのか、しなかったのか との関係を判断材料にします。
機械学習(AI)に必要なのは、「どんな状況だったか」だけではなく、「その結果どうなったか」です。
④ 機械学習(AI)が共通点を探す|「CVした人は30代女性」では終わらない
では、CVデータが蓄積されると、 機械学習(AI)は何を見るのでしょうか。
たとえば100件の広告クリックがあり、 そのうち10件がCVしたとします。
このとき、
という単純な考え方ではありません。
それぞれの広告機会で利用できる、
デバイス
地域
時間帯
過去の接点
その他利用可能なシグナル
などと、 CVした・しなかったという結果 の関係を判断材料にします。
つまり、
スマートフォンだからCVする
と決めているわけではありません。
複数の条件と結果の関係から、次の広告機会で成果が起きる可能性を予測する と考えます。
⑤ 正しいCV設定|機械学習(AI)に「何を増やしてほしい?」を伝える
ここからが、広告運用者にとって特に重要です。
たとえば住宅会社で、
だったとします。
一方、Webサイトではさまざまな行動を計測できます。
↓
施工事例閲覧
↓
来場予約ボタンクリック
↓
フォーム到達
↓
来場予約完了
では、これらを全部同じ成果として考えてよいでしょうか。
もちろん違います。
「計測したいもの」と「機械学習(AI)に増やしてほしいもの」は、同じとは限りません。
広告管理画面で計測している行動が、 すべて同じように入札最適化へ使われるとは限りません。
だからこそ、
「何を計測するか」と「何を最適化対象として渡すか」を分けて考える 必要があります。
⑥ 間違ったCVを渡す危険|機械学習(AI)が正しく動いても成果がズレる
ここはとても重要です。
たとえば住宅会社で、
になっていたとします。
すると機械学習(AI)は、
という方向へ最適化する可能性があります。
しかし、
=
来場予約を完了する人
とは限りません。
この場合、 機械学習(AI)が失敗しているのでしょうか。
そうとは限りません。
設定された目標に対しては、 正しく最適化している可能性があります。
機械学習(AI)が正しく動いていても、目標設定がズレていれば、事業として欲しい成果とは違う方向へ最適化される。
だからこそ、 何を成果として機械学習(AI)へ渡すかは、人が決める必要があります。
「mCVを増やせば学習しやすい」はどう考える?
CVが少ないとき、
と考えることがあります。
たとえば、
のようなケースです。
確かに、最終CVよりmCVの方が件数は増えやすいでしょう。
しかし、
件数が多い=良い学習材料、ではありません。
たとえば、
↓
最終CV:10件
↓
mCV → 最終CV率:10%
だったとします。
見るべきなのは、 mCVが何件取れたか だけではありません。
そのmCVが、本当に最終CVへ近づいていることを示す行動なのか を見る必要があります。
⑦ 最適化につなげる|CVデータが次の入札判断に使われる
ここまでの流れをつなげてみましょう。
↓
検索・時間・端末・地域などのシグナル
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札
↓
広告クリック
↓
CVした/しなかった
↓
結果データが蓄積
↓
次の予測・入札判断へ
これが、 CVデータが機械学習(AI)に必要な理由 です。
CV数が少ないなら、何でもCVに追加すればいい?
CVデータが少ないと聞くと、
フォーム到達もCVにしよう
ボタンクリックもCVにしよう
と考えたくなるかもしれません。
でも、大切なのは、 CV数を増やすこと ではありません。
良い判断材料を増やすことです。
だから、
↓
とりあえず何でもCVにする
ではなく、
↓
最終成果につながる適切な中間行動はある?
と考える方が自然です。
人がやるべきこと|機械学習(AI)に良い結果データを返せる環境を作る
機械学習(AI)が広告配信を最適化してくれるなら、 人は何をするのでしょうか。
重要なのは、 AIの代わりに細かく入札すること ではありません。
何を事業成果にする?
何をCVにする?
何を最適化対象にする?
計測は正しい?
CVの質はどう?
シグナルを確認
成果可能性を予測
入札判断
結果を蓄積
次の判断へ
人がやるべきなのは、機械学習(AI)を細かく操作することではなく、良い判断材料を渡せる環境を作ること です。
まとめ|CVデータは「成果の記録」であり「次の予測材料」でもある
CVデータは、 広告成果を確認するための数字 だけではありません。
機械学習(AI)を使った広告運用では、
「どんな広告機会の結果、成果が発生したのか」を機械学習(AI)へ伝える材料でもあります。
だからこそ、 ただCVタグを設置すればよいわけではありません。
何を最適化対象にする?
そのCVは本当に事業成果につながっている?
まで考える必要があります。
これが、 CVデータを考えるときの基本です。

