クリック数最大化とかCV数最大化とか、いろいろありますよね。
じゃあ田中くん、入札戦略を変えると何が変わると思う?
入札単価ですか?
でも、本当に変わるのは入札単価だけかな?
入札戦略によってAIの動きも変わるんですか?
それぞれ何を目標にして入札しているのかを比べると分かりやすいよ!
① 入札単価は誰が決める?|手動入札と自動入札の違い
検索広告では、 広告オークションに参加するときに 「いくらで入札するか」 が判断材料のひとつになります。
では、その入札単価は 誰が決めるのでしょうか。
大きく分けると、
最大CPCなどを、 運用者自身が設定する
設定した目的に合わせて、 入札額を自動で調整する
自動入札では、 運用者が毎回、
次の検索は300円
と細かく決めているわけではありません。
代わりに人が決めるのが、
「広告で何を増やしたいのか?」
という目的です。
たとえば飲食店なら、
ネット予約を増やしたい
予約CPAも意識したい
などによって、 選ぶ入札戦略が変わります。
まず広告の目的から考えよう!
② 入札戦略とは|AIに何を目指してほしいかを決める
入札戦略とは、 広告の目的に合わせて、どのように入札を調整するかを決める設定 です。
今回は、 初心者が違いを理解しやすいように、
予算内で、できるだけ多くのクリック獲得を目指す
予算内で、できるだけ多くのCV獲得を目指す
CPA目標も考慮しながらCV獲得を目指す
と整理してみます。
ここでひとつ、 用語として注意したいことがあります。
→ 自動入札
CV数最大化・目標CPA
→ コンバージョンを最適化する「Smart Bidding」
つまり、 どれも自動で入札額を調整しますが、 クリック数最大化とSmart Biddingは同じものではありません。
入札戦略によって「何を目標に入札するか」が変わる。
③ クリック数最大化|予算内でできるだけ多くのクリックを取る
クリック数最大化は、 設定した予算の中で、できるだけ多くのクリックを獲得する ことを目指す自動入札です。
たとえば、 新しく居酒屋をオープンしたばかりで、
メニューを知ってもらいたい
店内写真を見てもらいたい
という場合、 「まず流入を増やす」という目的には合いやすい戦略です。
↓
クリック獲得を目的に入札を自動調整
↓
予算内でクリック数の最大化を目指す
ただし、 ここで注意したいのが、
クリック数最大化は「予約数を最大化するための入札戦略」ではありません。
そのため、
CPCは下がった
でも予約数は増えていない
ということもあります。
最終目的が予約なら、
「クリックが増えた?」だけでなく、「そのクリックが予約につながった?」まで見る ことが重要です。
④ 上限CPC|AIが入札できる金額に上限をつける
クリック数最大化では、 対応するキャンペーンで 上限CPC を設定できます。
これは、
上限を設定する
という考え方です。
ここでありがちなのが、
↓
上限CPCをできるだけ低く設定
という方法です。
しかし、 上限を低くしすぎると、 広告掲載位置やクリック数が制限される可能性 があります。
↓
入札できる範囲が狭くなる
↓
CPCを抑えられる可能性
+
広告機会も減る可能性
上限CPCは「成果を良くする設定」ではなく、「入札できる範囲に制約を加える設定」。
⑤ CV数最大化と目標CPAに共通する仕組み|CVしやすさを予測して入札する
ここからは、 CV数最大化と目標CPA を見ていきます。
この2つは、 どちらもGoogle AIを使って コンバージョン獲得を目的にオークションごとの入札を調整するSmart Bidding です。
たとえば、 飲食店の 「ネット予約完了」 をCVとして設定したとします。
ユーザーが検索すると、 Google広告はオークション時に利用できる情報をもとに、 その広告機会がCVにつながる可能性 を予測します。
↓
オークション時の情報を確認
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札額を調整
ここまでは、 CV数最大化と目標CPAで共通しています。
では何が違うのでしょうか。
違うのは、「AIにどんなゴールと条件を与えているか」です。
⑥ CV数最大化|予算内でできるだけ多くの予約を取る
CV数最大化では、 設定した予算を使いながら、できるだけ多くのCVを獲得する ことを目指します。
たとえば、
とします。
AIはオークションごとに CVにつながる可能性を予測し、 入札を調整します。
より積極的に入札する場合がある
入札を抑える場合がある
より積極的に入札する場合がある
ここで大切なのは、
CV数最大化は、「CPAを必ず○円以内にする」ことを主目的にした戦略ではない。
ということです。
CPCやCPAが多少上がっても、 予算の中でより多くの予約が取れると判断されれば、 その広告機会へ入札する場合があります。
つまり、
「とにかくCPAを下げたい」より、「予算内で予約件数を増やしたい」ときに目的が合いやすい と考えます。
「その結果、何件予約できた?」まで見てみよう!
⑦ 目標CPA|CPAも意識しながらCVを増やす
一方、 目標CPAでは、 設定した平均CPAの目標も考慮しながら、できるだけ多くのCV獲得を目指します。
飲食店で考えるなら、 AIに、
+
平均CPAは10,000円程度を目標にして
と伝えるイメージです。
積極的に入札する場合がある
入札を抑える場合がある
より積極的に入札する場合がある
ただし、 ここで誤解してはいけないのが、
すべてのCVを必ず10,000円で獲得する設定ではありません。
たとえば、
のように、 1件ごとのCPAにはばらつきが出ます。
そのうえで、 平均CPAを目標値に近づけながらCV獲得を目指す のが基本的な考え方です。
CPCが高くてもCPAが良くなることがある
たとえば、 次の2つの広告機会を考えます。
| 広告機会 | CPC | 予約CVR | 計算上のCPA |
|---|---|---|---|
| A | 100円 | 1% | 10,000円 |
| B | 200円 | 10% | 2,000円 |
CPCだけを見ると、 Bの方が高くなっています。
でも、
なので、 CVRまで含めると、 Bの方がCPAは良くなります。
「CPCが高い=悪い」ではなく、そのCPCでCVR・CPAがどうなったかを見る。
目標CPAを厳しくすれば、CPAも下がる?
ここも、 とても誤解しやすいポイントです。
たとえば、 現在のCPAが10,000円程度だから、
↓
目標CPAを3,000円にする
としたとします。
しかし、 目標CPAを厳しくしすぎると、 条件を満たせそうな広告機会が少なくなり、 配信量やCV数が減る可能性 があります。
↓
条件を満たせそうな広告機会が狭まる可能性
↓
配信量が減る
↓
CV数も減る可能性
目標CPAは「理想のCPAを書く欄」ではなく、AIに渡す効率条件 と考えると分かりやすいです。
CV数最大化と目標CPAの違いを一言でいうと?
CV数を最大化
CPAを特定の金額に合わせることより、 予算内でCV数を増やすことを重視
CV数を最大化
平均CPAの目標値を条件として、 CV数の獲得を目指す
どちらもCV獲得を目指す。違うのは「CPAという効率条件を持たせるかどうか」。
⑧ CTR・CPC・CVRへの影響|入札戦略を変えると数字はどう動く?
入札戦略を変更すると、
CPC
CVR
CPA
クリック数
CV数
などが変化することがあります。
ただし、
「クリック数最大化ならCTRが上がる」「目標CPAならCPCが上がる」と決まっているわけではありません。
入札戦略が変わると、
↓
オークションごとの入札判断が変わる
↓
獲得する広告機会も変わる
↓
CTR・CPC・CVRなども変化する可能性
クリック数最大化の場合
CV数最大化の場合
CPCが上がっても、 CV数が増えてCPAが改善していれば、 最終目的に対しては良い変化かもしれません。
目標CPAの場合
つまり、
入札戦略を評価するときは、「その戦略が何を目標にしているか」を基準に数字を見る ことが重要です。
目的が違えば、評価するときに重視する数字も変わるよ!
⑨ 使い分け|「どれが一番いい?」ではなく「何を目指す?」から考える
最後に、 飲食店の広告を例に整理します。
| 入札戦略 | 主な目的 | 見る成果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クリック数最大化 | サイト流入を増やす | クリック数・CPC | 予約数を直接最大化する戦略ではない |
| CV数最大化 | 予約数を増やす | CV数・CPA・CVR | 特定のCPAを目標にする戦略ではない |
| 目標CPA | CPAも意識して予約数を増やす | CV数・平均CPA | 厳しすぎる目標は配信を制限する場合がある |
ケース1|まず店舗サイトへのアクセスを増やしたい
→ クリック数最大化を検討
ケース2|予算内でできるだけ予約数を増やしたい
→ CV数最大化を検討
ケース3|予約CPAも意識して獲得したい
→ 目標CPAを検討
入札戦略を変える前に「今の問題」を考える
ここでも、 入札戦略だけを見て判断しないことが重要です。
たとえば、
↓
目標CPAへ変更しよう
と考えたとします。
でも、 本当に入札戦略が問題なのでしょうか。
検索キーワードがズレている?
広告訴求が合っていない?
CV計測が適切ではない?
予算条件に問題がある?
という別の原因も考えられます。
↓
どの数字が悪化している?
↓
なぜ?
↓
原因仮説
↓
入札戦略を変える必要がある?
↓
必要なら変更
「今の問題を解決するために、本当に入札戦略を変える必要がある?」
まで考えることが重要です。
まず目的と今の問題を整理して、必要な戦略を選んでいこう!
今回の3つを整理すると、
CV数最大化と目標CPAは、 どちらもオークションごとに CVにつながる可能性などを予測しながら入札を調整します。
ただし、 AIへ渡している目的や条件が違います。
→ CV件数を重視
目標CPA
→ CPA目標も考慮しながらCV件数を重視
そして、 入札戦略を変えれば、 オークションごとの入札判断も変わるため、 CTR・CPC・CVR・CPAなども変化する可能性があります。
だから、
「CPCが上がったから悪い」「CTRが下がったから悪い」と、ひとつの指標だけで判断しない。
まず、
と考えます。
入札戦略の名前を覚えるのではなく、「AIに何を目指してもらう設定なのか」を理解する ことが、自動入札を使いこなす第一歩です。


