リターゲティングってどう考える?|“追いかける広告”ではなく検討度に合わせて設計する

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、サイトに来た人には、
全員リターゲティング広告を出しておきました!
佐藤さん
お、全部なんだ。
ちなみに、その人たちはみんな同じくらい検討度が高いのかな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
えっ……。
一度サイトに来てるなら、興味はある人ですよね?
佐藤さん
そうとは限らないよ。
会社概要だけ見た人と、料金ページや予約ページまで見た人は、同じ温度感かな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
たしかに……。
予約ページまで見た人の方が検討度は高そうです。
佐藤さん
そう!
リターゲティングは、「誰を追う?」だけじゃなく「なぜその人に出す?」まで考えると設計しやすいよ!
佐藤さん
一度サイトに来た人へ、全員同じ広告を出せばいいのか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告初心者が陥るワナ|サイト訪問者を全部リターゲティングしていない?

リターゲティング広告を設定するとき、

サイト訪問者
↓
全員をオーディエンス化
↓
同じ広告を配信

という設計をすることがあります。

一度サイトを訪問しているので、 「興味がある人」 と考えやすいからです。

もちろん、初回接触のユーザーよりも、サイト訪問者の方が商品やサービスを認知している可能性はあります。

でも、

「サイトに来たことがある」=「全員同じ検討度」とは限りません。

たとえば同じサイト訪問者でも、

トップページだけ見た人
商品一覧まで見た人
料金ページまで見た人
事例ページを複数見た人
予約ページまで進んだ人

では、行動の重みが違います。

トップページだけ見た人から予約ページまで進んだ人まで、サイト訪問者でも検討度が異なることを示す図
図解① サイト訪問者でも検討度は同じではない 画像をタップすると拡大できます

つまり、 リターゲティングは「訪問したかどうか」だけでなく、「どこまで検討していたか」まで考える ことが大切です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「サイト訪問者」でひとまとめにしないのがポイント!
どのページまで見たか、どんな行動をしたかまで見てみよう!
佐藤さん

② 本当にそう?|一度サイトに来た人は全員同じ温度感?

たとえば住宅会社のサイトに、次の4人が来たとします。

ユーザーA トップページのみ

たまたま広告を見て、少しだけサイトを確認

ユーザーB 施工事例を複数閲覧

どんな家を建てているのか比較中

ユーザーC 価格・商品ページを閲覧

予算内で建てられるか確認中

ユーザーD 来場予約ページまで閲覧

予約を検討したが、申込み前に離脱

全員、 「サイト訪問者」 ではあります。

でも、検討度は同じでしょうか。

おそらく、ユーザーDの方が、 具体的な行動に近い状態 と考えられます。

トップページ閲覧、施工事例閲覧、価格ページ閲覧、予約ページ閲覧の順に検討度が高まる例
図解② 閲覧行動から検討度を考える 画像をタップすると拡大できます

だから私は、 単純なサイト訪問履歴だけではなく、ユーザーの行動を見る ようにします。

リターゲティングでは、「来た人」より「どこまで進んだ人?」を見る。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「来た・来てない」だけじゃなく「どこまで進んだ?」を見よう!
ゴールに近い行動をした人ほど、優先度を考えやすくなるよ!
佐藤さん

③ なぜそうなる?|ユーザーの検討度と離脱理由は違う

リターゲティングを考えるとき、もうひとつ重要なのが、 「なぜ離脱したのか?」 です。

同じように予約せず離脱した人でも、理由は同じとは限りません。

まだ情報収集段階だった
価格が気になった
他社と比較したかった
予約するほど魅力を感じなかった
予定が決まっていなかった
フォーム入力が面倒だった
不安なことが残っていた

など、さまざまな可能性があります。

つまり、リターゲティング広告で、

「まだ予約していませんか?今すぐ予約!」

と全員に同じ広告を出しても、 離脱理由と訴求が合っていない ことがあります。

離脱理由によって、必要な情報は変わる

離脱理由の仮説 ユーザーが知りたいこと 広告で伝える候補
価格が不安 自分の予算でも可能? 価格例・資金計画
他社と比較中 この会社を選ぶ理由は? 特徴・実績・違い
具体的な暮らしを想像できない 自分たちならどう暮らせる? 施工事例・暮らしの訴求
予約への不安 営業されない?時間は? 来場時の流れ・安心材料
価格不安、他社比較、暮らしのイメージ不足、予約不安など離脱理由ごとに必要な訴求が変わる図
図解③ 離脱理由によって伝える内容は変わる 画像をタップすると拡大できます

リターゲティングは「追いかける広告」ではなく、「次に必要な情報を届ける広告」と考える。

と整理すると、訴求を考えやすくなります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
離脱したら「なぜ戻ってこない?」を考えてみよう!
その理由を解消できる情報を広告で届けると、リタゲの意味がはっきりするよ!
佐藤さん

④ 具体例|住宅サイトなら誰を優先してリターゲティングする?

たとえば住宅会社のサイトで、 来場予約の獲得 が目的だったとします。

サイトには、

トップページ
会社概要
施工事例
商品・プラン
価格・費用
モデルハウス詳細
来場予約

などのページがあります。

ここで、 すべての訪問者を同じ優先度でリターゲティングする のではなく、

私なら、 ゴールに近い行動をしているユーザーから優先して考えます。

低め トップページのみ
↓
中 施工事例を複数閲覧
↓
高め 価格・商品ページを閲覧
↓
高い モデルハウス・予約ページを閲覧
住宅サイトでトップページ、施工事例、価格ページ、モデルハウスや予約ページの順に高意向ユーザーとして優先する考え方
図解④ ゴールに近いページほど優先度を考える 画像をタップすると拡大できます

例①|施工事例を複数見たユーザー

この人は、 「どんな家を建てられる会社なのか」 を比較しているかもしれません。

その場合、

「家事動線にこだわった実例をもっと見る」

など、さらに検討を進める情報を届けることが考えられます。

例②|価格ページまで見たユーザー

価格ページまで見ているなら、 予算がひとつの判断材料になっている 可能性があります。

その場合、

「土地+建物でいくら?実際の価格例を公開」

のように、価格不安を解消する訴求を考えます。

例③|来場予約ページまで進んで離脱したユーザー

この人は、かなりゴールに近い行動をしています。

でも、なぜ予約しなかったのでしょうか。

営業されそうで不安?
予定が決まっていない?
所要時間が分からない?
予約するほどのメリットが見えない?

こうした仮説を出したうえで、

「見るだけでもOK。約60分でモデルハウスをご案内」

のような安心材料を出すことも考えられます。

施工事例閲覧者には暮らし訴求、価格ページ閲覧者には価格情報、予約ページ離脱者には予約不安解消というリターゲティング例
図解⑤ 閲覧ページごとに訴求を変える例 画像をタップすると拡大できます

「このページを見た人は、何を知りたくてここまで来た?」から訴求を考える。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
高意向ページを見た人から優先して考えてみよう!
「なぜそのページを見た?」まで考えると、次に出す広告も作りやすくなるよ!
佐藤さん

⑤ 私ならどう判断する?|高意向ユーザーから設計する6ステップ

STEP1|まず広告のゴールを決める

最初に、 何を増やしたいのか を確認します。

資料請求?
問い合わせ?
来場予約?
購入?

ゴールによって、 「高意向」と見る行動 は変わります。

STEP2|ゴールに近い行動を整理する

次に、 どんな行動をしたユーザーほどゴールに近いか を整理します。

商品詳細を見た
価格ページを見た
事例を複数見た
問い合わせページを見た
予約ページまで進んだ

STEP3|優先するオーディエンスを決める

すべてのサイト訪問者に広く配信する前に、

「最もゴールに近い人は誰?」

を考えます。

限られた予算であれば、特に 高意向ページを閲覧したユーザー から優先して検証します。

STEP4|「なぜ離脱した?」を考える

ここで、単純に 「予約してください」 と広告を出すのではなく、

離脱理由の仮説を出します。

情報不足?
不安?
価格?
比較中?
タイミング?
行動する理由が弱い?

STEP5|離脱理由に合わせた訴求を考える

仮説が決まったら、 その不安や迷いを解消できる情報 を広告にします。

価格不安 → 価格例
他社比較 → 選ばれる理由・実績
来場不安 → 来場の流れ・所要時間
商品理解不足 → 施工事例・特徴

STEP6|結果を見て仮説を更新する

配信したら、

CTR
CVR
CPA
CV数

などを確認します。

そして、

「この訴求で、ユーザーの迷いは減った?」

を考えます。

ゴール設定、高意向行動整理、優先オーディエンス決定、離脱理由仮説、訴求設計、結果検証というリターゲティング設計の6ステップ
図解⑥ リターゲティング設計の6ステップ 画像をタップすると拡大できます

「オーディエンスを作ること」ではなく、「誰に、何を届けるか」を設計する ことが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
ゴール → 高意向行動 → 離脱理由 → 訴求の順番で考えよう!
「誰に出す?」と「何を出す?」をセットで設計すると強いよ!
佐藤さん

⑥ NG / OK|一律配信と意図のあるリターゲティング

NG|サイト訪問者全員に同じ広告を出す

サイト訪問者
↓
全員を同じオーディエンス
↓
全員に同じ広告
↓
「今すぐ予約!」
↓
検討度も離脱理由も考えない

この設計だと、 ユーザーによって必要な情報が違う ことを無視してしまいます。

OK|行動と心理から配信を考える

広告のゴール
↓
どの行動がゴールに近い?
↓
高意向ユーザーを整理
↓
なぜ離脱した?
↓
何を知りたい?
↓
訴求を決める
↓
リターゲティング配信
↓
結果を検証
サイト訪問者全員へ一律配信するNGと、ゴールに近い行動、離脱理由、必要情報から訴求を設計するOKの比較
図解⑦ リターゲティングのNG / OK 画像をタップすると拡大できます

リターゲティング広告で重要なのは、 「もう一度広告を見せること」そのものではありません。

「次の行動を止めているものは何?」を考え、その迷いを減らす情報を届ける。

ことが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
リタゲは「もう一回見せる」だけじゃない!
次の行動を止めている不安や迷いを見つけて、そこに広告を当てていこう!
佐藤さん

⑦ まとめ|「誰を追う?」ではなく「なぜその人に出す?」を考える

1.サイト訪問者をひとまとめにしない

トップページだけを見た人と、 価格や予約ページまで見た人 では、検討度が違う可能性があります。

まず、 どんな行動をしたユーザーなのか を見ます。

2.ゴールに近いユーザーから優先する

限られた予算の中では、 すべての訪問者を同じ優先度で追う必要はありません。

資料請求・予約・購入など、 ゴールに近いページや行動 をしたユーザーから優先して考えます。

3.「なぜ離脱した?」を考える

リターゲティングでは、 離脱したという事実 だけではなく、

「なぜ、その人は行動しなかった?」

まで考えます。

4.次に必要な情報を広告で届ける

価格が不安なら価格情報。

他社と比較中なら違いや実績。

来場が不安なら来場の流れ。

その人が次へ進むために、 不足している情報を届ける という考え方です。

ゴール、ユーザー行動、検討度、離脱理由、必要な情報、リターゲティング訴求、次の行動までをつなぐまとめ
図解⑧ リターゲティングを考える基本の流れ 画像をタップすると拡大できます

リターゲティングというと、 「一度サイトに来た人を追いかける広告」 と考えがちです。

でも私は、それだけでは不十分だと考えています。

「どこまで検討していた?」 「なぜ離脱した?」 「次に何を知りたい?」 「何を伝えれば一歩進める?」

まで考えます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「誰を追う?」だけで終わらず「なぜその人に出す?」まで考えよう!
ユーザーの次の一歩に必要な情報を届けるリタゲにしていこう!
佐藤さん
リターゲティングは「追いかける広告」ではなく、検討度と離脱理由に合わせて次の一歩を促す広告。

誰に配信するのか。

なぜ、その人に配信するのか。

そして、その人に今必要な情報は何なのか。

そこまで考えることで、 ユーザー心理から設計するリターゲティング につながっていくと考えています。