広告予算ってどう決める?|目標CV×目標CPAから考える予算設計

広告運用設計
田中くん
田中くん
佐藤さん、今度の広告なんですけど、
予算っていくらくらいにすればいいですか?
佐藤さん
まず、何件くらい獲得したいの?
佐藤さん
田中くん
田中くん
えっ……。
そこから決めるんですか?
とりあえず30万円くらいかなと思ってました。
佐藤さん
じゃあ、その30万円で何件取れたら成功?
佐藤さん
田中くん
田中くん
……そこまで考えてなかったです。
佐藤さん
予算は、「いくら使う?」から決めるんじゃなくて、目標から逆算すると考えやすいよ。
佐藤さん
田中くん
田中くん
目標から逆算……?
佐藤さん
そう!
「何件欲しい?」「1件いくらまで使える?」
この2つから考えてみよう!
佐藤さん
広告予算は、「なんとなく○万円」で決めるものなのか。 一緒に考えてみましょう。
↓

① 広告初心者が陥るワナ|「とりあえず○万円」で決めていない?

広告運用を始めたばかりの頃、 「広告予算はいくらにすればいいですか?」 と聞かれても、意外と答えるのが難しいものです。

たとえば、

「まずは月10万円くらいで」
「前月が30万円だったから、今月も30万円で」
「会社から50万円まで使っていいと言われたから、50万円で」

というように、 使える金額から広告予算を決めてしまう ことがあります。

もちろん、会社やクライアントとして使える予算の上限はあります。

ただ、 「使える予算が50万円」=「50万円が適切な広告予算」とは限りません。

なぜなら、 その50万円で何件獲得する必要があるのか が分からないからです。

たとえば同じ月50万円でも、

50万円使って CV 10件
VS
50万円使って CV 50件

では、成果はまったく違います。

つまり、広告予算は 金額だけでは評価できない ということです。

そこで、まず考えたいのが、

「何件獲得したいのか?」

とりあえず50万円から考える予算ありきと、目標CVと目標CPAから必要予算を考える目標ありきの比較
図解① 「予算ありき」と「目標ありき」の違い 画像をタップすると拡大できます
佐藤さんからのワンポイントアドバイス
予算より先に「何件欲しい?」を決めよう!
金額だけでは、その予算が多いのか少ないのか判断できないよ!
佐藤さん

② 本当にそう?|広告予算は目標から逆算する

たとえば、 目標CVが50件 だったとします。

でも、これだけではまだ広告予算は決まりません。

次に必要なのが、

「1件獲得するために、いくらまで使える?」

という基準です。

これが目標CPAです。

たとえば、

目標CV:50件
目標CPA:10,000円

だった場合、

目標CV 50件 × 目標CPA 10,000円 = 必要予算 500,000円

となります。

目標CV数 × 目標CPA = 目標達成に必要な広告予算の目安

目標CV50件と目標CPA10000円を掛けて必要予算500000円を算出する広告予算の基本計算
図解② 目標CV × 目標CPAから必要予算を考える 画像をタップすると拡大できます

30日で配信する場合は、

500,000円 ÷ 30日
=
約16,700円/日

です。

ここで初めて、

目標:50件
目標CPA:10,000円
必要予算:約500,000円/月
日予算の目安:約16,700円

という基準を作れます。

ただし、ここで重要なのが、

「月50万円使えば、必ず50件獲得できる」 という意味ではないことです。

あくまで、 CPA10,000円で獲得できた場合に、50件獲得するために必要となる予算 です。

「目標CV × 目標CPA」は成果予測ではなく、予算設計の基準。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「50万円使えば50件取れる」ではないから注意!
目標CPAで獲得できた場合の“必要予算の基準”として使おう!
佐藤さん

③ なぜそうなる?|「使える予算」と「必要な予算」は違う

広告予算を考えるときは、少なくとも 3つの予算 を分けて考えると整理しやすくなります。

① 使える予算

会社やクライアントが、実際に使える広告費です。

② 目標から考える必要予算

目標CVと目標CPAから逆算した、 目標達成に必要な予算 です。

③ 現状実績から見た必要予算

現在のCPAが今後も続くと仮定して、目標CVを獲得するために必要になる予算です。

たとえば、

目標CV:50件
目標CPA:10,000円
使える予算:500,000円

だったとします。

目標から考える必要予算は、

50件 × 10,000円
=
500,000円

ここまでは、使える予算と必要予算が一致しています。

ところが、実際に広告を配信したところ、

現状CPA:20,000円

だったとします。

このCPAのまま50件獲得すると仮定すると、

50件 × 20,000円
=
1,000,000円

必要になります。

使える予算 50万円
目標CPAから算出 50万円
現状CPAから算出 100万円
使える予算50万円、目標CPAから計算した必要予算50万円、現状CPAから計算した必要予算100万円の比較
図解③ 「使える予算」「必要予算」「現状から見た必要予算」 画像をタップすると拡大できます

ここで、 「50万円しかないから、とりあえず50万円使おう」 と考えるのではありません。

分かるのは、

「現状のままだと、目標達成が難しい」

ということです。

目標と現状のギャップを見つけることが、予算設計の重要な役割です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「使えるお金」と「必要なお金」は分けて考えよう!
差が見えたら、そこから「じゃあ何を変える?」を考えられるよ!
佐藤さん

④ 具体例|3つのシミュレーションから考える

ここからは、実際の数字を使って考えてみます。

月間予算:500,000円
目標CV:50件
目標CPA:10,000円
現状CPA:20,000円

この場合、私はまず3つのパターンを並べます。

広告費 CPA 想定CV 意味
① 現状維持 50万円 20,000円 25件 今の成果が続いた場合
② 改善 50万円 10,000円 50件 CPAを改善できた場合
③ 予算増額 100万円 20,000円 50件 現状CPAのまま50件を狙う場合
現状維持50万円CPA20000円25件、改善50万円CPA10000円50件、予算増額100万円CPA20000円50件の3つのシミュレーション
図解④ 目標達成のための3つのシミュレーション 画像をタップすると拡大できます

この表を見ると、 「目標達成のために、何を変える必要があるのか」 が整理できます。

プラン①|現状のままだとどうなる?

現状CPAが20,000円。

月50万円使った場合、

500,000円 ÷ 20,000円
=
25件

です。

つまり、目標50件に対して 25件不足 します。

ここで大切なのは、 「CPA20,000円だから、この広告はダメ」 と判断することではありません。

まず、 「現状の成果のままでは、50万円で目標50件には届かない」 という事実を把握します。

プラン②|同じ50万円で50件獲得するには?

同じ50万円で50件獲得するために必要なCPAは、

500,000円 ÷ 50件
=
10,000円

です。

つまり、

現状CPA:20,000円
↓
必要CPA:10,000円

まで改善する必要があります。

ここで初めて、 「CPAを改善する余地はあるか?」 という話になります。

ただし、 「CPAを半分にすればいい」 だけでは具体的な施策にはなりません。

CPAが高くなっている原因を、

CTR
CPC
CVR
CPM
CV数

などに分解して、改善可能性を確認します。

プラン③|現状CPAのまま50件獲得するなら?

現状CPA20,000円で50件獲得するなら、

50件 × 20,000円
=
1,000,000円

必要になります。

つまり、 「現状の成果を前提にすると、50件獲得するには約100万円必要」 というシミュレーションです。

ただし、

「じゃあ100万円に増額しよう」と、すぐ判断するわけではありません。

予算を増やしたときに、同じCPAが維持できるとは限らないからです。

また、現状CPA20,000円に改善余地があるのであれば、増額する前に改善を検討する余地があります。

現状CPA20000円で50件なら100万円必要だが、即増額せず改善余地を確認してから予算増額や目標見直しを判断するフロー
図解⑤ 予算を増やす前に、改善余地を確認する 画像をタップすると拡大できます

現状CPAから必要予算を計算するのは、 「この金額を使いましょう」と決めるためではありません。

「今の成果では、目標達成にどれくらいの予算が必要なのか」を把握するため に使います。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
シミュレーションは「答え」じゃなくて判断材料!
現状・改善・増額の3パターンを並べると、次に考えることが見えやすいよ!
佐藤さん

⑤ 私ならどう判断する?|予算を決めるときの順番

STEP1|目標CV数を決める

まず、 何件獲得したいのか を決めます。

目標CV:50件

広告予算より先に、目標を決めます。

STEP2|目標CPAを決める

次に、 1件あたり、いくらまで使えるのか を決めます。

目標CPA:10,000円

STEP3|必要予算を計算する

目標CV 50件
×
目標CPA 10,000円
=
必要予算 500,000円

ここで、 目標達成に必要な予算の基準 ができます。

STEP4|実際に使える予算と比べる

次に、会社やクライアントが実際に使える金額を確認します。

たとえば、

必要予算:500,000円
使える予算:300,000円

しかなかったとします。

30万円で50件獲得するために必要なCPAは、

300,000円 ÷ 50件
=
CPA 6,000円

です。

CPA6,000円を実現できなければ、30万円で50件獲得することは難しい。

目標CV50件と目標CPA10000円から必要予算50万円を算出し、使える予算30万円なら必要CPA6000円となる比較
図解⑥ 使える予算から、必要なCPAを逆算する 画像をタップすると拡大できます

ここで初めて、

予算を増やす?
目標件数を調整する?
CPA改善を目指す?

という判断ができます。

STEP5|現状CPAを入れてシミュレーションする

実績がある場合は、現状CPAも入れます。

使える予算:500,000円
現状CPA:20,000円

なら、

500,000円 ÷ 20,000円
=
想定CV 25件

となります。

目標50件に対して25件不足するため、 「今のままでは目標達成が難しい」 と判断できます。

STEP6|3つの選択肢を考える

目標と現状にギャップがある場合は、大きく3つの選択肢があります。

① CPAを改善する
② 予算を増やす
③ 目標を見直す
目標CVと目標CPAから必要予算を算出し、使える予算と現状CPAを比較してCPA改善、予算増額、目標見直しを判断するフロー
図解⑦ 広告予算を決める判断フロー 画像をタップすると拡大できます

「予算はいくら?」という質問に、金額だけで答えない。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
目標 → 必要予算 → 使える予算 → 現状!
この順番で並べると、「次に何を変える?」まで考えやすくなるよ!
佐藤さん

⑥ NG / OK|予算ありきで考えていない?

NG|「とりあえず50万円」から始める

「広告予算は?」
↓
「とりあえず50万円で」
↓
配信開始
↓
結果25件
↓
「思ったより取れなかった」

この場合、そもそも 50万円で何件獲得する予定だったのか が曖昧です。

OK|目標から逆算して予算を決める

何件獲得したい?
↓
目標CPAはいくら?
↓
必要予算はいくら?
↓
実際に使える予算はいくら?
↓
現状CPAなら何件獲得できそう?
↓
目標とのギャップは?
↓
CPA改善・予算増額・目標見直し
とりあえず50万円で始める予算設計と、目標CV、目標CPA、必要予算、現状CPA、ギャップから判断する予算設計の比較
図解⑧ 広告予算の決め方 NG / OK 画像をタップすると拡大できます

広告予算は、 「いくら使えるか」だけで決めるものではありません。

目標と現状を数字でつなげることで、

「なぜ、この予算なのか?」

を説明できる状態にすることが大切です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「なんとなく50万円」から卒業しよう!
「この目標だから、この予算」と説明できれば予算設計はグッと分かりやすくなるよ!
佐藤さん

⑦ まとめ|広告予算は「目標達成に必要な金額」から考える

1.まず「何件獲得したい?」から考える

広告予算を決めるとき、 「月いくら使う?」 から始めるのではありません。

まず、 「何件獲得したい?」 から考えます。

2.「目標CV × 目標CPA」で必要予算を出す

目標CV:50件
×
目標CPA:10,000円
=
必要予算:500,000円

ただし、 50万円使えば必ず50件獲得できる という意味ではありません。

あくまで、 目標CPAを達成できた場合の必要予算 です。

3.現状とのギャップから次の判断をする

現状CPAが20,000円なら、50件獲得するためには100万円必要になる計算です。

でも、すぐに100万円へ増額するのではありません。

CPAに改善余地はない?
予算を増やすべき?
目標を見直すべき?

と考えます。

目標CV、目標CPA、必要予算、現状CPAを比較してCPA改善、予算増額、目標見直しを判断する広告予算設計のまとめ
図解⑨ 広告予算を考える基本の流れ 画像をタップすると拡大できます

広告予算で大切なのは、 「いくら使うか」を決めることだけではありません。

「何を達成するために、その予算が必要なのか」を説明できること。

「前月も50万円だったから」
「なんとなく30万円くらい」

ではなく、

50件獲得したい。
目標CPAは10,000円。
だから、必要予算は500,000円。

と、目標から逆算して考えます。

そして実際の成果と比較しながら、

「この予算で目標を達成できる?」
「改善が必要?」
「予算を増やす必要がある?」

を判断していきます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「いくら使う?」より「何を達成したい?」!
目標から逆算できれば、予算にもちゃんと理由を持たせられるよ!
佐藤さん
広告予算は、目標CV × 目標CPAから逆算して考える。