何か設定変えた方がいいですかね?
CTRが低い広告も止めようかなって。
「なぜこの数字になった?」を一緒に見てみよう。
「なぜ変えるのか」を説明できることの方が大事だよ。
① 広告初心者が陥るワナ|「広告を触ること」が運用になっていない?
広告管理画面を開くと、
CTR
CVR
CPC
CPM
など、さまざまな数字が表示されます。
昨日よりCPAが悪い。
CTRが少し下がった。
CVが今日はまだ入っていない。
こうした数字を見ると、 「何かしなきゃ」 と思うことがあります。
そこで、
ターゲットを変える
広告を止める
キーワードを停止する
プレイスメントを除外する
新しい広告を追加する
と、毎日のように設定を変更してしまう。
でも、
設定を変更すること自体が、広告運用の目的ではありません。
広告運用の目的は、 目標に対して成果を改善していくこと です。
↓
問題を見つける
↓
「なぜ?」を考える
↓
仮説を立てる
↓
必要な変更をする
↓
結果を確認する
広告を触った回数が多いからといって、成果が良くなるとは限りません。
まずは「何が問題?」「なぜ?」から考えてみよう!
② 本当にそう?|変更すれば成果は良くなる?
広告の成果が悪いと、 「何か変えた方がいい」 と思います。
もちろん、改善のために設定変更が必要なことはあります。
でも問題は、 「なぜ変えるのか」が明確かどうか です。
たとえば、
↓
広告を停止する
これだけでは、CPAが上がった原因を確認していません。
もしかすると、
CVRも大きく変わっていない
一時的にCV数が少なかっただけ
という可能性もあります。
逆にCTRが大きく下がっているのであれば、クリエイティブへの反応が弱くなっている可能性があります。
つまり、同じ 「CPAが上がった」 という結果でも、
原因によって、取るべきアクションは変わる。
だからこそ、 数字を見てすぐ変更するのではなく、まず「なぜ?」を考える ことが大切です。
まず数字を分解して、「どこが変わった?」を探してみよう!
③ なぜそうなる?|広告運用でやりがちな7つのNG行動
ここからは、広告運用でやりがちなNG行動を具体的に見ていきます。
NG①|毎日設定を変更する
↓
今日は予算を変更
↓
明日はターゲットを変更
↓
翌日は広告を追加
このように毎日変更してしまうと、 どの変更によって成果が変わったのか分からなくなります。
また、広告成果には日ごとの波があります。
曜日によって反応が変わる商材もあります。
そのため私は、 変更したら、一定期間は結果を見る ようにします。
目安として3〜7日程度を見ることもありますが、これは絶対的なルールではありません。
予算、CV数、媒体、商材、変更内容によって、判断に必要な期間は変わります。
大切なのは、 「昨日悪かったから今日変える」のではなく、判断できるだけのデータが集まったかを見ること です。
NG②|配信開始翌日に停止する
↓
翌日CV 0件
↓
「この広告はダメだ」
↓
停止
という判断をしてしまうことがあります。
でも、 1日分のデータだけで、その広告の実力を判断できるとは限りません。
広告成果は、
ユーザーの行動
競合状況
配信量
CVまでにかかる時間
などによって変動します。
たとえば、平日は問い合わせが少なく、土日にCVが増える商材もあります。
私の場合は、曜日を一巡させるため、 最低7日間をひとつの目安 にすることがあります。
ただし、 「7日経った=判断していい」 という意味ではありません。
期間とあわせて、
どれくらいクリックが集まった?
CVはどれくらい発生した?
CVまでにどれくらい時間がかかる?
も確認します。
ケースA|7日間配信しているけれど、データが少ない
広告費:5,000円
クリック:10件
CV:0件
この場合、7日経っていても、 まだ判断材料が少ない可能性があります。
ケースB|3日でも十分なデータが集まっている
広告費:100,000円
クリック:500件
CV:20件
ここまで集まっていれば、7日経っていなくても、ある程度傾向を確認できる場合があります。
「何日配信したか」ではなく、「判断できるだけのデータが集まったか?」を見る。
また、明らかな設定ミスや想定外の配信、大きな損失が発生している場合は、期間を待たずに対応することもあります。
NG③|勘だけで判断する
「このバナーはきれいだから残そう」
「最近この訴求は飽きられている気がする」
もちろん、運用経験から生まれる感覚は大切です。
ただし、 感覚だけで意思決定すると、再現性がありません。
自分では良くないと思っていた広告が、実際にはCPAもCVRも良いこともあります。
逆に、デザインとしてはきれいでも、ユーザーには刺さっていないこともあります。
だから私は、感覚を 「仮説」 として扱います。
↓
仮説として置く
↓
CTRは下がっている?
頻度は上がっている?
CVRは変わっている?
↓
数字をもとに判断
勘を捨てるのではなく、勘を数字で確かめる。
NG④|一気に複数の要素を変更する
↓
広告を変える
+
ターゲットを変える
+
LPを変える
+
予算を変える
これを同時にやってしまうと、成果が改善しても、 何が効いたのか分かりません。
↓
CPA:10,000円
まで改善しても、
ターゲット?
LP?
予算?
のどれが成果につながったのか判断できません。
そのため、検証するときは、 検証軸を決める ことが大切です。
たとえば今回は、 「広告画像によってCTRが変わるか?」 を検証する。
なら、画像だけを変更し、コピー・ターゲット・LPなどはできるだけ揃えます。
NG⑤|ひとつの指標だけで停止判断する
これは、私自身も過去にやっていた運用です。
たとえばリスティング広告で、 CTRが自分で決めた基準値を下回ったキーワードを、一気に停止する ということをしていました。
でも、ここには大きな落とし穴があります。
CTRが低い=成果が悪い、とは限りません。
| CTR | CVR | CPA | |
|---|---|---|---|
| キーワードA | 8.0% | 1.0% | 20,000円 |
| キーワードB | 3.0% | 5.0% | 8,000円 |
CTRだけを見ると、キーワードAの方が優秀に見えます。
でもCVRとCPAまで見ると、 キーワードBの方が最終成果に貢献しています。
ディスプレイ広告のプレイスメントでも同じです。
CTR:1.5%
CV:0件
プレイスメントB
CTR:0.5%
CV:5件
広告の目的がCV獲得なのであれば、CTRが高いこと自体が最終目的ではありません。
大切なのは、 CTRを高くすることではなく、広告の目標を達成すること です。
↓
即停止しない
↓
クリック数は?
↓
CVは?
↓
CVRは?
↓
CPAは?
↓
最終成果に貢献している?
↓
継続・停止を判断
つまり、 CTRは改善のヒントにはなるけれど、CTRだけを停止基準にしない ということです。
NG⑥|成果に貢献している配信まで簡単に捨てる
ひとつの指標だけで一括停止してしまうと、 実は成果に貢献していたキーワード・プレイスメント・広告まで止めてしまう ことがあります。
これは、新しい広告をテストするときにも起こります。
↓
新しい広告だけに入れ替える
でも既存広告の中に、 安定してCVを獲得している広告 があるのであれば、その広告まで止める必要があるとは限りません。
私は、 成果の良い配信は残しながら、新しい仮説を試す という考え方を基本にしています。
+
新しいテスト広告
ここでいう「勝ち広告」とは、単純にCTRが高い広告ではありません。
CPA
売上
商談
来場
など、 最終的に重要な成果へ貢献している広告 です。
広告運用では、ひとつの数字をきれいにすることより、 目標達成に貢献しているものを見極めること の方が重要です。
NG⑦|数字だけを見て改善する
広告運用では、CTR・CVR・CPAなどの数字を見ることが重要です。
でも、数字だけでは原因が分からないこともあります。
↓
「広告を改善しよう」
と考えても、実際には、
フォームが使いづらい
価格が競合より高い
オファーに魅力がない
商品そのものが求められていない
という可能性もあります。
広告の数字が悪い=広告だけに問題がある、とは限らない。
広告は、ユーザーが商品やサービスを知り、興味を持ち、行動し、顧客になるまでの一部です。
だから私は、 数字を見るだけではなく、その数字の先にいるユーザーがどこで離脱しているのか まで考えます。
数字を分解して、仮説を立てて、必要なところだけ変えていこう!
④ 具体例|CPAが悪化したとき、どう判断する?
たとえば、
現状CPA:15,000円
まで悪化したとします。
初心者の頃は、 「目標CPAを超えたから停止」 と判断したくなるかもしれません。
でも、私ならまず数字を見ます。
ケースA|CTR・CVRに大きな変化がない
CTR:2.0% → 2.0%
CVR:5.0% → 4.8%
CTRもCVRも大きく変わっていません。
この場合、すぐに 「広告が悪くなった」 とは判断しません。
配信量や期間、CPC、CPM、CV数なども確認します。
ケースB|CTRが大きく低下している
CTR:2.0% → 1.0%
この場合は、 広告への反応が弱くなっている 可能性があります。
訴求
ユーザーとのズレ
などを確認します。
ただし、ここでも 「CTRが低いから即停止」 ではありません。
CVやCPAへの貢献まで見て判断します。
ケースC|CVRが大きく低下している
CTR:2.0% → 2.0%
CVR:5.0% → 2.0%
CTRは変わっていませんが、CVRが大きく落ちています。
この場合は、広告だけではなく、
広告とLPの訴求一致
流入ユーザー
フォーム
オファー
などを確認します。
同じCPA15,000円でも、数字の中身によって取るべきアクションは違う。
CTR・CVR・CPC・CPMなどに分解して、原因を探してみよう!
⑤ 私ならどう判断する?|設定を変更する前に確認すること
私の場合、広告成果が悪化したからといって、すぐには設定を変更しません。
まず、次の順番で考えます。
STEP1|目標と現状を比べる
現状CPAはいくら?
どれくらい差がある?
まず、 何が問題なのか を確認します。
STEP2|数字を分解する
CTR
CPC
CVR
CPM
CV数
ひとつの数字だけでは判断しません。
STEP3|その指標は「目的」なのか「途中の数字」なのか考える
CTRを改善したい。
CVRを改善したい。
CPAを改善したい。
その数字を良くすること自体が目的になっていないか確認します。
最終目的が、
売上
予約
来場
商談
なのであれば、 その指標の変化が最終成果にどうつながっているか まで見ます。
STEP4|「なぜ?」を考える
数字の変化から原因仮説を出します。
CVRが落ちている → なぜ?
CPMが上がっている → なぜ?
STEP5|広告以外も確認する
フォーム
商品
オファー
価格
営業対応
など、広告以外にボトルネックがないか確認します。
STEP6|改善インパクトの大きい仮説を選ぶ
思いついた施策をすべて行うのではなく、 最も成果への影響が大きそうなもの から優先します。
STEP7|検証軸を決める
コピー?
訴求?
ターゲット?
LP?
と、 今回の検証軸を明確にします。
そして、検証軸以外の条件はできるだけ揃えます。
STEP8|一定期間・一定量のデータを見る
変更したら、すぐにまた別の変更を加えるのではなく、 判断できるだけのデータが集まるまで観察 します。
私の場合は最低7日間をひとつの目安にしながら、
広告費
クリック数
CV数
CVまでの期間
もあわせて確認します。
STEP9|成果に貢献しているものを残す
キーワード、プレイスメント、クリエイティブなどを、CTRやCPAのひとつの数字だけでは判断しません。
最終成果に貢献しているか を確認します。
成果に貢献しているものは残しながら、次の改善を試します。
STEP10|検証結果から次のアクションを決める
↓
結果確認
↓
何が分かった?
↓
次の仮説
「目標 → 数字 → なぜ? → 仮説 → 検証」の順番をクセにしていこう!
⑥ NG / OK|広告運用の判断を比較する
NG|数字が悪くなるたびに設定を変える
↓
CTRが基準以下
↓
キーワード・プレイスメントを一括停止
↓
新しい広告に入れ替える
↓
翌日また悪化
↓
ターゲット変更
↓
LPも変更
↓
成果が変化
↓
何が良かったのか分からない
OK|原因を考えて、必要な変更だけ行う
↓
目標と現状を比較
↓
CTR・CPC・CVR・CPM・CV数を確認
↓
最終成果への貢献を確認
↓
何が変化している?
↓
なぜ?
↓
原因仮説
↓
改善する場所を決める
↓
検証軸を決める
↓
必要な変更だけ行う
↓
判断できるデータ量を確認
↓
次のアクション
広告運用で重要なのは、 「何を変更したか」 ではありません。
「なぜ変更したのか?」
「変更した結果、何が分かったのか?」
まで考えることが大切です。
ひとつの変更から、ひとつでも学びを残していこう!
⑦ まとめ|広告運用は「変更」ではなく「判断」が大切
今回紹介した7つのNG運用をまとめると、次のようになります。
| NG運用 | 考え方 |
|---|---|
| 毎日設定変更する | 判断できるデータが集まるまで見る |
| 翌日に停止する | 期間・配信量・クリック・CV数を確認 |
| 勘だけで判断する | 感覚を仮説として数字で確かめる |
| 一気に複数変更する | 検証軸を決める |
| 1指標だけで停止する | 最終成果まで見て判断する |
| 成果配信まで停止する | 成果に貢献するものを残しながら改善 |
| 数字だけを見る | LP・商品・オファーなども確認する |
広告運用者に必要なのは、管理画面をたくさん触る能力ではありません。
「なぜ、この結果になった?」
と考えて、数字を分解する。
ひとつの指標だけではなく、その先の成果まで見る。
原因を仮説として考える。
必要な改善に優先順位をつける。
検証軸を決めて変更する。
判断できるだけのデータを見る。
成果に貢献しているものは残す。
そして結果から、
「何が分かった?」
を考える。
「なぜ?」と「何が分かった?」を積み重ねていこう!
目標達成のために、数字から状況を読み取り、判断し、仮説検証を続ける。
この考え方が、自分自身で広告運用のPDCAを回せるようになるための基本です。


