機械学習(AI)が自動で入札してくれるんですよね。
じゃあ田中くん、機械学習(AI)は何を見て「この広告機会はCVにつながりそう」って判断していると思う?
年齢とか性別とかですか?
同じ人でも、朝に検索するときと夜に検索するときでは、行動が変わることもあるよね。
検索した言葉とか、時間帯、スマホかPCかとかも関係するんですか?
今回は、機械学習(AI)がどんなデータやシグナルを使って予測し、入札につなげているのかを見ていこう!
① 機械学習とは|過去のデータからパターンを見つけ、次の結果を予測する
広告における機械学習(AI)を、 「自動で広告を出してくれる仕組み」 だけで理解すると、少し分かりにくくなります。
もっとシンプルに考えるなら、
過去のデータから成果につながりやすいパターンを見つけ、次の広告機会の結果を予測する仕組み。
と考えると分かりやすいです。
たとえば飲食店の広告で、過去に、
金曜の夕方に検索した人
スマートフォンから検索した人
から予約が多く発生していたとします。
すると機械学習(AI)は、
予約につながる可能性が比較的高いかもしれない
と予測するための材料にできます。
↓
検索・クリック・CVなどの結果
↓
成果につながったパターンを学習
↓
新しい広告機会
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札判断へ
ただし、 機械学習(AI)が未来を確実に当てているわけではありません。
あくまで、 過去のデータや現在の状況から、「どの結果になる可能性が高そうか」を予測している と考えます。
② 機械学習(AI)は何を予測する?|「この広告機会はCVにつながりそう?」
では、機械学習(AI)は具体的に何を予測しているのでしょうか。
CV数最大化や目標CPAのような、 コンバージョンを重視する入札では、
といった予測をしながら、 入札判断につなげていきます。
たとえば、
平日14時
PC
金曜19時
スマートフォン
機械学習(AI)は、
と決めつけているわけではありません。
過去データや、そのとき利用できる情報をもとに、
と予測します。
「人を選んでいる」というより、「広告機会ごとの成果の出やすさを予測している」と考える。
広告機会ごとの可能性を予測していると考えよう!
③ ユーザー・検索・時間・端末などのシグナル|ひとつではなく組み合わせて見る
その予測に使われるのが、 シグナル です。
シグナルとは、 その広告オークションが起きたときの状況を表す情報 と考えると分かりやすいです。
重要なのは、 ひとつのシグナルだけで判断しているわけではない ということです。
たとえば、
と単純に判断するわけではありません。
同じスマートフォンでも、
どこから検索しているのか
何と検索しているのか
過去にサイトへ来たことがあるのか
など、状況が違えば広告機会も変わります。
機械学習(AI)の強みは、人がひとつずつ設定しきれない大量の組み合わせを扱えること です。
④ CVデータ|「何が成果だったか」を機械学習(AI)へ伝える
シグナルだけあっても、 機械学習(AI)は、
を判断する材料が足りません。
そこで重要になるのが、 CVデータ です。
たとえば飲食店なら、
↓
広告クリック
↓
店舗ページ閲覧
↓
予約フォーム
↓
予約完了
という流れがあったとします。
予約完了をCVとして正しく計測できていれば、 機械学習(AI)は、
という結果を判断材料にできます。
一方、予約が発生しているのにCV計測ができていなければ、 機械学習(AI)から見た結果も変わります。
逆に、予約ページを見ただけなのに、 予約完了と同じ成果として扱えば、 本当に増やしたい成果とは違うデータ を渡すことになります。
CVデータは、多ければいいだけではなく、「何を成果として渡しているか」が重要です。
そもそも、 「何をCVとして設定するのか」「何を人が決めて、何を機械学習(AI)に任せるのか」 については、こちらの記事で詳しく整理しています。
「計測できる数字」ではなく、「本当に増やしたい成果」から考えよう!
⑤ オークションごとの判断|同じキーワードでも毎回同じ入札にはならない
機械学習(AI)の特徴のひとつが、 広告オークションごとに判断する ことです。
たとえば、同じ 「新宿 居酒屋」 という検索でも、状況は毎回違います。
別地域から検索
情報収集中かもしれない
新宿周辺から検索
今夜のお店を探しているかもしれない
同じ検索キーワードでも、 広告機会としては同じではありません。
つまり、
ではありません。
そのとき利用できる情報まで含めて、 「この広告機会には、どれくらい入札する?」をオークションごとに判断する という考え方です。
⑥ 予測と入札|CVしそうなら必ず高く入札する?
ここまで聞くと、
CVしなさそうなら安く入札
と理解したくなるかもしれません。
大まかなイメージとしては近いのですが、 実際の入札判断はもう少し複雑です。
入札額は、
設定している入札戦略
予算
目標CPAや目標ROASなどの条件
オークション時の状況
なども踏まえて決まります。
予算内で、できるだけ多くのCV獲得を目指す
平均CPAの目標も考えながら、CV獲得を目指す
同じ広告機会でも、 設定している入札戦略によって入札判断が変わる ことがあります。
↓
シグナルを確認
↓
CV可能性などを予測
↓
入札戦略・予算・目標を確認
↓
入札額を決定
↓
オークションへ参加
機械学習(AI)が予測した結果を、どのように入札へ使うかは入札戦略によって変わる。
入札戦略によって、 機械学習(AI)が何を目標にして入札するのか も変わります。
クリック数最大化・CV数最大化・目標CPAの違いについては、 こちらの記事で詳しく整理しています。
⑦ データが増える意味|「たくさん集めればいい」ではない
機械学習の話をすると、よく、
と言われます。
では、なぜデータが増えるとよいのでしょうか。
たとえば、予約CVが1件しかなければ、 機械学習(AI)にとって、
を判断するための材料はまだ少ない状態です。
でも、結果が蓄積されていくと、
どの時間帯でCVした?
どんな端末でCVした?
どんな条件の組み合わせでCVした?
といったパターンを探すための材料が増えていきます。
ただし、
「データは多ければ何でもいい」という意味ではありません。
たとえば、予約を増やしたいのに、
10秒滞在
メニュー閲覧
など、事業成果から遠い行動ばかり大量に集めても、 本当に増やしたい成果との関係が弱ければ、 使い方を考える必要があります。
また、誤ったCV計測を大量に集めても、 良い判断材料にはなりません。
大切なのは量だけではなく、「何のデータを機械学習(AI)へ渡しているか」 です。
「データが少ない=機械学習(AI)が動かない」ではない
ここも誤解しやすいポイントです。
CVが少ないと、
と考えたくなることがあります。
でも、 「CVが○件なければ一切判断できない」 と単純に考えるものではありません。
一方で、 自社のキャンペーンで正しいCVデータが蓄積されれば、 そのビジネスで成果につながったパターンを判断する材料 も増えていきます。
つまり、
「多い・少ない」だけではなく、「どんなデータを、どれだけ正しく渡せているか」で考える。
機械学習(AI)を活かすために人ができること
ここまで整理すると、 機械学習(AI)を活かすために、 人が整えるべきものも見えてきます。
何を目標にする?
何をCVにする?
正しく計測できている?
入札戦略は目的に合っている?
予算・構造は適切?
シグナルを確認
CV可能性を予測
入札戦略を反映
オークションごとに入札
結果を次の判断材料へ
つまり、 機械学習(AI)の精度を上げたいから、人が毎回細かく入札する という話ではありません。
それよりも、 正しい目標・正しいCV・正しい計測データを渡せる環境を作る ことが重要です。
まず、正しい目標とデータを渡せる状態を作っていこう!
まとめ|機械学習(AI)は「シグナル+結果」から次の広告機会を予測する
機械学習(AI)は、何となく、
と判断しているわけではありません。
検索内容・端末・地域・時間帯など、 その広告機会で利用できるシグナルと、 過去の成果データを組み合わせながら、
↓
検索・時間・端末・地域などのシグナル
+
過去のCVデータ
↓
CVにつながる可能性を予測
↓
入札戦略・予算・目標を考慮
↓
入札額を決定
↓
結果が蓄積
↓
次の予測材料へ
大切なのは、
機械学習(AI)が何を見ているのかを理解したうえで、「どんなデータを渡すか」を人が設計すること。
そして、 データを増やすこと自体が目的ではありません。
正しい成果を計測し、 その結果を機械学習(AI)が判断材料として使える状態を作る。
これが、 機械学習(AI)を活かした広告運用の基本です。


