「伝えたいこと」と「ユーザーが知りたいこと」は違う|広告は“企業目線”ではなく“ユーザー目線”で考える

クリエイティブ
田中くん
田中くん
佐藤さん、この広告に、
個室・駅近・飲み放題・地元食材・創業20年を全部入れようと思ってます!
佐藤さん
たくさん強みがあるんだね!
ちなみに、誰に一番届けたい広告なの?
佐藤さん
田中くん
田中くん
えっ……。
とりあえず、お店を探している人です。
佐藤さん
じゃあ、その人が知りたいのは、
本当に「創業20年」とか「個室あり」そのものかな?
佐藤さん
田中くん
田中くん
たしかに……。
個室があることより、個室で何が良いのかを知りたいってことですか?
佐藤さん
そう!
企業が伝えたいことと、ユーザーが知りたいことは同じとは限らないんだよ。
佐藤さん
田中くん
田中くん
じゃあ、企業の強みをどうやって広告に変えればいいんですか?
佐藤さん
じゃあユーザーの心を動かす広告の考え方を一緒に見てみよう!
佐藤さん
企業が言いたいことを、そのまま広告にするだけで本当に伝わるのか。 一緒に考えてみましょう。
↓
  1. ① 広告初心者が陥るワナ|「伝えたいこと」を全部入れていない?
  2. ② 本当にそう?|ユーザーはお店の特徴そのものを知りたいの?
  3. ③ なぜそうなる?|特徴・メリット・ベネフィットを分けて考える
    1. 特徴|商品やサービスが持っている事実・機能
    2. メリット|その特徴によって得られる良いこと
    3. ベネフィット|ユーザーの体験や気持ちがどう変わるか
    4. メリットとベネフィットは似ているけれど違う
    5. ベネフィットは「誰に届けるか」で変わる
  4. ④ 具体例|飲食店で考える「伝えたい」と「知りたい」
    1. 例①|「提供が早い」をユーザー価値に変える
    2. 例②|「個室あり」をユーザー価値に変える
  5. ⑤ 私ならどう判断する?|企業情報をユーザー価値に変換する6ステップ
    1. STEP1|まず「企業が伝えたいこと」を事実として出す
    2. STEP2|「それで何が良い?」を考える
    3. STEP3|「体験や気持ちはどう変わる?」を考える
    4. STEP4|「誰にとってのベネフィット?」を考える
    5. STEP5|ユーザーの利用目的・悩みとつなげる
    6. STEP6|広告で一番伝えることを決める
  6. ⑥ NG / OK|企業目線の広告とユーザー目線の広告
    1. NG|企業が伝えたい特徴をそのまま広告にする
    2. OK|ユーザーの目的・悩みから逆算する
  7. ⑦ まとめ|広告は「何を伝えたい?」ではなく「何を知りたい?」から考える
    1. 1.企業が伝えたいことと、ユーザーが知りたいことは違う
    2. 2.特徴・メリット・ベネフィットを分けて考える
    3. 3.同じ特徴でも、誰に伝えるかでベネフィットは変わる
    4. 4.広告では「一番伝えること」を決める

① 広告初心者が陥るワナ|「伝えたいこと」を全部入れていない?

商品やサービスのことをよく知っていると、

「これも入れたい」
「これも重要」
「この強みも伝えたい」
「この実績も見せたい」

と考えるようになります。

たとえば飲食店なら、

個室あり
駅から徒歩3分
ランチあり
コース料理あり
飲み放題あり
地元食材を使用
創業20年
記念日対応
テイクアウト可能

など、伝えたい情報がたくさんあります。

でも、それをすべて広告に入れると、

「結局、このお店は自分にとって何が良いの?」

と、ユーザーが迷ってしまうことがあります。

店舗側が個室、駅近、ランチ、コース、食材など伝えたい情報をすべて広告に詰め込み、ユーザーが自分に何が良いか分からなくなる例
図解① 伝えたいことを詰め込む広告の問題 画像をタップすると拡大できます

広告は、商品や店舗のすべてを説明するパンフレットではありません。

限られた時間、限られた画面の中で、 「自分に関係がある」 と感じてもらう必要があります。

だからこそ、

「何を入れる?」より、「何を一番伝える?」を決める。

ことが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
全部伝えようとしなくて大丈夫!
まず「この人に一番伝える価値は何?」をひとつ決めてみよう!
佐藤さん

② 本当にそう?|ユーザーはお店の特徴そのものを知りたいの?

店舗側は、設備やサービスを伝えたくなります。

たとえば、 「個室あり」 という特徴があったとします。

お店側からすると、これは分かりやすい強みです。

でもユーザーは、

「個室があると、自分に何が良いの?」

と考えているかもしれません。

子ども連れ 周囲を気にしなくていい?

子どもが少し騒いでも、気兼ねなく食事できるか知りたい

友人との食事 ゆっくり話せる?

周囲を気にせず、会話を楽しめるか知りたい

仕事の会食 落ち着いて話せる?

静かな環境で大事な話ができるか知りたい

つまり、

企業が伝えたいこと 個室あり
→
ユーザーが知りたいこと それで、自分に何が良い?
店舗が個室ありと伝えたい一方で、ユーザーは個室によって自分に何が良いのかを知りたいという違い
図解② 「特徴」と「ユーザーが知りたいこと」の違い 画像をタップすると拡大できます

ここで大切なのは、 特徴を伝えてはいけない ということではありません。

特徴を、ユーザーが理解できる価値に変換して伝える ことが重要です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
特徴を書いたら「それで何が良い?」を追加で考えよう!
その一問だけでも、企業目線からユーザー目線に変わりやすくなるよ!
佐藤さん

③ なぜそうなる?|特徴・メリット・ベネフィットを分けて考える

広告を見るユーザーは、その商品や店舗のスタッフではありません。

企業側にとって当たり前の情報でも、ユーザーには、 その価値がすぐ伝わらない ことがあります。

さらにユーザーは広告を見るとき、

「自分に合っている?」 「自分の目的に使える?」 「ここを選ぶと何が良い?」

という視点で見ています。

広告を見たユーザーが自分に合っているか、目的に使えるか、選ぶと何が良いかを考えて興味や予約につながる流れ
図解③ ユーザーが広告を見るときの思考 画像をタップすると拡大できます

つまり、ユーザーが知りたいのは、 商品やサービスの情報そのものだけではありません。

「それを選ぶことで、自分の体験がどう良くなるのか?」

まで知りたいのです。

特徴|商品やサービスが持っている事実・機能

特徴とは、 商品・サービス・店舗が持っている事実 です。

個室あり
駅から徒歩3分
注文から10分以内に提供
22時まで営業

メリット|その特徴によって得られる良いこと

次に、 その特徴によって何ができるのか を考えます。

個室あり → 周囲を気にせず過ごせる
駅徒歩3分 → 移動時間が短い
提供が早い → 待ち時間が短い

ベネフィット|ユーザーの体験や気持ちがどう変わるか

メリットのさらに先にある、 ユーザーの体験・感情の変化 を考えます。

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず食事できる
↓
ベネフィット 大切な人との時間を、落ち着いて楽しめる
個室ありという特徴、周囲を気にせず過ごせるメリット、大切な人との時間をゆっくり楽しめるベネフィットの違い
図解④ 特徴・メリット・ベネフィットの違い 画像をタップすると拡大できます

もうひとつ例を見てみます。

特徴 注文から10分以内に料理を提供
↓
メリット 待ち時間が短い
↓
ベネフィット 昼休みが短くても、時間を気にせずランチを楽しめる

メリットとベネフィットは似ているけれど違う

メリットとベネフィットは似ているので、混同しやすい部分です。

私は、

メリット その特徴によって何ができるようになる?
ベネフィット それによって、体験や気持ちがどう良くなる?
個室ありから周囲を気にせず食事できるメリット、その先に大切な人との時間を楽しめるベネフィットまで深掘りする図
図解⑤ 特徴からベネフィットまで深掘りする 画像をタップすると拡大できます

と考えています。

広告では、 特徴をメリットに変換し、その先のベネフィットまで考える ことが大切です。

ベネフィットは「誰に届けるか」で変わる

さらに重要なのが、 誰にとってのベネフィットなのか ということです。

同じ 「個室あり」 でも、相手によって価値は変わります。

小さな子どもがいる家族 気兼ねなく食事できる

子どもがいても周囲を気にせず、家族で食事を楽しめる

友人同士 ゆっくり会話できる

久しぶりに会った友人との時間を落ち着いて楽しめる

仕事の会食 大事な話に集中できる

周囲を気にせず、落ち着いた環境で話ができる

同じ個室ありという特徴でも、子ども連れ、友人同士、仕事の会食によってベネフィットが変わる例
図解⑥ 同じ「個室」でもベネフィットは変わる 画像をタップすると拡大できます

ベネフィットは商品やサービスだけでは決まりません。誰に届けるかによって変わります。

だから広告では、

特徴
↓
メリット
↓
誰に届ける?
↓
その人にとってのベネフィット
↓
広告訴求

の順番で考えると、訴求を作りやすくなります。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「特徴 → メリット → ベネフィット」まで深掘り!
さらに「誰にとって?」を加えると、訴求がもっと具体的になるよ!
佐藤さん

④ 具体例|飲食店で考える「伝えたい」と「知りたい」

例①|「提供が早い」をユーザー価値に変える

たとえば、ある飲食店に、 「ランチは注文から10分以内に提供」 という特徴があったとします。

お店側としては、 「提供が早いことを伝えたい」 と考えます。

そこで、

「スピード提供!」

と広告に書くかもしれません。

間違いではありません。

でもユーザーが本当に知りたいのは、

「提供が早いと、自分に何が良いの?」

です。

特徴 注文から10分以内に提供
↓
メリット 待ち時間が短い
↓
ベネフィット 昼休みが短くても、時間を気にせず食事できる
注文から10分以内という特徴を、待ち時間が短いメリット、忙しい昼休みでも安心してランチできるベネフィットに変換する図
図解⑦ 飲食店の特徴をユーザー価値に変換する 画像をタップすると拡大できます

すると、広告では、

「忙しい昼休みでも、ちゃんとランチ。」

のような訴求が考えられます。

店舗側が伝えたいのは、 「提供が早い」 という事実です。

でもユーザーが知りたいのは、 「限られた昼休みでも安心して利用できる?」 なのかもしれません。

例②|「個室あり」をユーザー価値に変える

次に、 「個室あり」 で考えてみます。

店舗側としては、

「個室完備」

と伝えたくなります。

でも、子ども連れの家族に届けたいのであれば、

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず食事できる
↓
ベネフィット 子どもがいても、家族で気兼ねなく食事を楽しめる
↓
広告訴求 子どもと一緒でも、周りを気にせずゆっくりランチ。
個室ありから周囲を気にせず食事できる、子ども連れでも安心して過ごせる、子どもと一緒でもゆっくりランチという訴求まで変換する図
図解⑧ 特徴 → メリット → ベネフィット → 訴求 画像をタップすると拡大できます

企業の言葉をそのまま広告にするのではなく、ユーザーの利用シーンに置き換えて考える。

これが、企業目線の情報をユーザー目線の訴求に変えるポイントです。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
特徴を見たら「この人は、いつ・どんな場面でうれしい?」を考えよう!
利用シーンまで想像すると、ユーザーの言葉に変換しやすくなるよ!
佐藤さん

⑤ 私ならどう判断する?|企業情報をユーザー価値に変換する6ステップ

STEP1|まず「企業が伝えたいこと」を事実として出す

最初は、店舗やサービス側の情報を整理します。

個室あり
駅徒歩3分
注文から10分以内に提供
飲み放題あり
地元食材を使用
22時まで営業

この段階では、無理にキャッチコピーにしません。

まず、 事実として特徴を整理する ことが大切です。

STEP2|「それで何が良い?」を考える

それぞれの特徴に対して、

「それによって何ができる?」

と考えます。

これがメリットです。

個室あり → 周囲を気にせず過ごせる
駅徒歩3分 → 移動時間が短い
提供が早い → 待ち時間が少ない

STEP3|「体験や気持ちはどう変わる?」を考える

次に、メリットの先を考えます。

これがベネフィットです。

周囲を気にせず過ごせる
↓
家族や友人との会話に集中できる
↓
ゆっくり食事の時間を楽しめる
待ち時間が少ない
↓
短い昼休みでも利用しやすい
↓
時間を気にせずランチを楽しめる

STEP4|「誰にとってのベネフィット?」を考える

ここが特に重要です。

同じ特徴でも、誰に届けるかによって価値は変わります。

たとえば、 「個室あり」 という同じ特徴でも、

子ども連れ → 周囲を気にせず食事できる
友人同士 → ゆっくり会話できる
仕事の会食 → 落ち着いて話ができる

サービスからベネフィットを決めるのではなく、「サービス × ユーザー」で考える。

STEP5|ユーザーの利用目的・悩みとつなげる

次に、その人が、 なぜ商品やサービスを探しているのか を考えます。

昼休みにサッと食べたい
子どもと気兼ねなく食事したい
友人とゆっくり話したい
大事な人の誕生日を祝いたい

そして、その目的・悩みに、 店舗の特徴・メリット・ベネフィット をつなげます。

特徴整理、それで何ができるか、体験や気持ちの変化、誰にとっての価値か、利用目的とつなげるという企業情報をユーザー価値に変換する流れ
図解⑨ 店舗情報をユーザー価値に変換する5ステップ 画像をタップすると拡大できます

STEP6|広告で一番伝えることを決める

ここで初めて、広告の訴求を決めます。

すべての特徴を入れるのではなく、

「この人に、一番刺さりそうな価値は何?」

を選びます。

たとえば、子ども連れの家族なら、

メインで伝える価値
周囲を気にせず食事できる

その根拠
個室あり

という設計ができます。

店舗の特徴からメリット、ベネフィット、ユーザーの利用目的、一番刺さる価値を選び、広告訴求にする流れ
図解⑩ 訴求を作る流れ 画像をタップすると拡大できます

ベネフィットを先に伝え、特徴をその根拠として使う という考え方もできます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
特徴からいきなりコピーを作らないのがコツ!
特徴 → メリット → ベネフィット → 誰に? → 利用目的 → 訴求の順番で考えてみよう!
佐藤さん

⑥ NG / OK|企業目線の広告とユーザー目線の広告

NG|企業が伝えたい特徴をそのまま広告にする

店舗が伝えたいこと
↓
個室あり
↓
駅近
↓
飲み放題
↓
地元食材
↓
創業20年
↓
全部広告に入れる
↓
ユーザー:「自分に何が良いの?」

店舗側からすると、すべて重要な情報です。

でも、ユーザーが最初からすべて知りたいとは限りません。

OK|ユーザーの目的・悩みから逆算する

誰に届ける?
↓
その人は何のために探している?
↓
何に困っている?
↓
店舗のどの特徴が役立つ?
↓
どんなメリットがある?
↓
体験や気持ちはどう変わる?
↓
一番伝えるベネフィットを決める
↓
広告にする
店舗が伝えたい特徴をそのまま広告にする企業目線と、ユーザーの目的や悩みから特徴、メリット、ベネフィット、訴求へ変換するユーザー目線の比較
図解⑪ 企業目線とユーザー目線の違い 画像をタップすると拡大できます

広告を作るとき、 「何を伝えたい?」 だけで考えると、企業目線になりやすくなります。

だから私は、そのあと必ず、

「ユーザーは何を知りたい?」

と考えます。

企業が伝えたいこと
×
ユーザーが知りたいこと

そして、その2つが重なる場所を探します。

その重なりが、広告で伝えるべき訴求です。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
企業の強みだけでも、ユーザーの悩みだけでも足りない!
「自分たちの強み × ユーザーが求める価値」が重なる場所を探そう!
佐藤さん

⑦ まとめ|広告は「何を伝えたい?」ではなく「何を知りたい?」から考える

1.企業が伝えたいことと、ユーザーが知りたいことは違う

企業は、

特徴
サービス内容
実績
機能

を伝えたい。

でもユーザーは、

「それで、自分に何が良いの?」

を知りたいことがあります。

2.特徴・メリット・ベネフィットを分けて考える

特徴 個室あり
↓
メリット 周囲を気にせず食事できる
↓
ベネフィット 大切な人との時間を、落ち着いて楽しめる

特徴だけではなく、 その先の体験や気持ちの変化まで考える ことで、ユーザー目線の訴求を作りやすくなります。

3.同じ特徴でも、誰に伝えるかでベネフィットは変わる

「個室あり」 という同じ特徴でも、

子ども連れ
友人同士
仕事の会食

では、感じる価値が違います。

だから、 誰に届けるか を考えることが重要です。

4.広告では「一番伝えること」を決める

すべてを伝えようとすると、何も伝わらなくなることがあります。

だから、

「この人に、一番伝えるべき価値は何?」

を決めます。

企業が伝えたいことから特徴、メリット、ベネフィット、誰にとっての価値か、ユーザーの目的や悩みにつなげ、一番伝える訴求を決めるまとめ
図解⑫ 今回のまとめ 画像をタップすると拡大できます

広告で大切なのは、 企業が言いたいことを全部伝えることではありません。

ユーザーが、

「これは自分に合っている」 「自分の目的に使えそう」 「ここを選ぶと良さそう」

と思えることが重要です。

だから私は広告を作るとき、 「何を伝えたい?」 だけではなく、

「ユーザーは何を知りたい?」

を必ず考えます。

そして、

特徴
↓
メリット
↓
ベネフィット
↓
誰にとっての価値?
↓
ユーザーの目的・悩み
↓
訴求

と変換していきます。

佐藤さんからのワンポイントアドバイス
「何を言いたい?」だけで広告を作らない!
「ユーザーは何を知りたい?」まで考えて、一番伝わる価値に変換していこう!
佐藤さん
企業が伝えたいことを、ユーザーが知りたい価値に変換する。

企業が伝えたいことと、ユーザーが知りたいことが重なる場所を探す。

そこが、 広告で一番伝えるべき訴求 だと考えています。